【スケルトンインフィル】200年住宅を見据え、自由で長寿命の住まいづくり

家には、さまざまな建て方や買い方があります。「スケルトンインフィル」は、「建物の構造と内装を分離した工法」のこと。「200年住宅」など先を見据えた住まいづくりに欠かせない考え方です。家に長く暮らすためのヒントになるかもしれません。是非、お読みください!


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スケルトンインフィルとは

スケルトン
スケルトンインフィルでは、内装は古くなっても、構造がしっかりしていれば、リノベーションで快適な空間にすることができます

「スケルトンインフィル」という言葉は、家探しをしている人なら聞いたことがあるかもしれませんね。

これは住宅の設計手法の一つです。

スケルトン=建物の柱・梁・床等の構造躯体

インフィル=住戸内の内装・設備等

を意味します。そのまま解釈すると、「建物の構造と内装」となってしまいそうですが

正式には「skeleton & infill」で、「建物の構造と内装を分離した工法」となります。

家って普通そうじゃないの?と思ってしまいますが

日本で取り入れられている工法の中には、耐用年数の長い構造と短い内装を分けずに建築するケースもあります。短期的には問題ないのですが、長期的に見ると、20年後、30年後に構造がしっかりしていても内装や設備が古くなり住みにくくなっているため、まだまだ使える構造も取り壊して建て替えが必要となる可能性が出てきます。

 

スケルトンインフィルとは、建物の構造と内装を分離して建てることで、まだまだ使える躯体はそのままに、内部だけ変えていくことができます。長持ちが前提なので、躯体が丈夫なのが特徴。購入時の金額は少し高くなりますが、10年後20年後のリフォーム費用に差が出てきます。

 

ちなみにスケルトンとは英語で「骸骨」「骨格」という意味。

インフィルは「埋める」「詰め入れる」という意味。

スケルトンはよく耳にする単語ですが、

1998年に発売された「iMac」がそのはじまりとか。コンピューターの内部まで見える半透明な筐体でできており、コンピューターの骨格(skeleton)が見えることから、「スケルトンボディ」と呼ばれ、「スケルトン」がよく使われるようになったようです。

「透明な」「透けている」という意味と間違えがちですが、英語にはその意味はないので、海外の人と話すときには注意しましょう。

「スケルトンのアクセサリー」が「骸骨でできたアクセサリー」という意味になっちゃうとか・・・。変わった趣味の人だと誤解される可能性大です!

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200年住宅で、子や孫3世代に受け継ぐ住まい

スケルトンインフィル
せっかくの家ですから。子や孫の世代まで暮らせるしっかりとした家だと安心ですね

住宅の長寿命化を考えた政策に「200年住宅ビジョン」があります。これは日本の住宅をできるだけ長持ちさせ、中古住宅価格の適正化を図ることはもとより、家という国民の財産を守るために12の政策を提言したものです。

この中でも、「スケルトンインフィル」=「SI住宅」について触れられています。

また、この政策の中で、長持ちする家づくりとともに重要とされているのが「家歴書」の整備。

家にはさまざまな設備や素材が使われています。その大半はメーカーが開発したものですが、大量生産されるため、メーカーが全ての商品がどこで使われているのかを把握するのは難しい状態です。そこで、「家」という大きな財産を守るために、その家のカルテ「家歴書」をつくり、個人個人がしっかり管理していくことが大切になってくるのです。

「家歴書」には、構造体の内訳や構造計算書、パース、間取り図、リフォームやメンテナンス情報などさまざまな情報が蓄積されます。何か不具合があった時にもこれらの情報はできるだけたくさんあることが望まれます。「書類がどこにいったかわからない・・・」となると、構造や内装を壊してみないと不具合の原因が追求できない状態になりかねません。

 

家を長く大切に受け継ぐ文化が根付いている海外には

「親が家を建てたら、子どもは家具を買い、孫は内装、

ひ孫はその家を売って新しい家を建てる。」

ということわざがありますが

いい家を建てれば、ずっと先の代まで幸せに暮らせます。

 

スケルトンインフィルによるしっかりした構造、「家歴書」による丁寧な管理が行われていれば、200年住める家も夢ではありません。子や孫、3世代を見据えて家を考えましょう!

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まずは耐震性能!リノベーションでも耐震性をアップできる!

スケルトンインフィルで重要とされる「強固な構造」について具体的に考えると、地震大国の日本では「耐震性能」が重要になってきます。

住宅の耐震性能を表す指標として「耐震等級」があります。これは、地震への強さを等級によって示すものです。耐震等級は、2000年施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で定められた「住宅性能表示制度」に基づく評価基準で審査されます。0~3の4段階にランクが分かれ、数字が大きいほど耐震性能が高くなります。

 

耐震性能0:建築基準法を満たさない耐震力

建物の現況や設計図書を調査し、計算を行ったうえで現行の建築基準法を満たしていない場合や、柱や梁等の構造部材の耐力が低下するほどの劣化が見られる場合は、耐震等級0とみなされます。

 

耐震等級1:建築基準法の耐震力と同等

耐震等級1は、建築基準法で定められている、最低限の耐震性能を満たすものです。新築住宅が建築許可を得るための最低条件です。数百年に一度発生する大地震でも倒壊や崩壊をせず、数十年に一度発生する地震に対して損傷しないよう構造計算されています。

 

耐震等級2:長期優良住宅の認定基準

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震性能があることを示しています。「長期優良住宅」の認定には、耐震等級2以上が条件です。学校など公共建築物に多い等級です。

 

耐震等級3:消防署や警察署など防災拠点の耐震基準

耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の耐震性能。住宅性能表示制度で定められた耐震性の中でも最も高いレベル。消防署や警察署など防災施設に多い等級です。

 

新築住宅を購入する場合は、耐震等級を確認すればその家がどれくらい地震に強いかがわかります。

 

中古住宅では、耐震性能が低い場合はリノベーションなどで耐震性能を高めることができます。オススメは「ホームアゲイン」というリノベーション商品。

耐震等級1への耐震補強工事を含むリノベーション、定期的なメンテナンス、家歴書の作成までパッケージされた商品です。

中古住宅の躯体を利用し、十分強固な躯体として補強した上で、お好みの内装で仕上げます。例えば、福岡でも再建築不可とされる地域での中古住宅のリノベーションで大変注目されている商品です。

新築でなかなか条件にあう物件が見つからない場合は、中古住宅のリノベーションも検討してみましょう。

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まとめ

スケルトンインフィル
自分らしい家探しのために、いろんな家を見てみましょう

構造と内装を分離して考え、長持ちする家をつくるスケルトンインフィルという住宅スタイル。せっかくの家探し、大切な財産を受け継ぐためにもぜひ検討してみてください。福岡南部エリアの家探しに強いハウスマーケットでは、経験豊かなエージェントが専属で対応。家は人生で最も大きな買い物のひとつ。大切な財産を守り、家族が幸せに暮らせる住まい探しをサポートします。また福岡で中古住宅のリノベーション「ホームアゲイン」に対応できますので、お気軽にご相談ください。