【床暖房】 足下から暖めるから、寒がりさんもへっちゃら

寒がりさんにとっては、ちょっとつらい冬の朝。足下からじんわり優しく暖める『床暖房』があれば、朝から元気いっぱい動けます!足下を暖めるのに、なぜ部屋中が暖まるの?キーワードは「輻射熱」!床暖房の仕組みや選ぶ際のポイントをまとめました。


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足下からじんわり、部屋全体を暖める床暖房

床暖房のある暖かいリビング
床暖房は足下から部屋中を暖めます。その秘密は『輻射熱』!

寒がりさんにとっては、冬は朝布団から出るのもつらいですよね。

家が暖かいとそれだけで朝から元気に動けるものです!

住まい選びをするときは、ご家族がどんなライフスタイルなのか、現在どんな不便があるのか、できるだけたくさん書き出してみるのがオススメ。
特に、冬の寒さが苦手という方は、「暖かい家づくり」に注目してみましょう。

昔の家では、居間に囲炉裏や木鉢を置いて「薪」や「炭」をくべて家を暖めていました。薪ストーブも結構好きな人が多いですが、「火」を眺めながら暖まる暖房器具はなんだか癒し効果も感じますよね。
昔の家は、気密性が現在ほど高くなかったので、煙は自然に外へ排出されました。しかし現在の高気密・高断熱の家では、囲炉裏や木鉢、薪ストーブの設置には室内換気に注意が必要です。

現在の暖房の主流はエアコンですが、足下のヒンヤリをすぐなんとかしたい!という人にはやっぱり「床暖房」が快適です。
「床暖房」は、足下からじんわり優しく暖めてくれて、床から直接伝わる熱(伝道熱)と床から部屋全体に広がる熱(輻射熱)の組み合わせで温めます。

床から輻射熱が出るのはもちろん、その熱が壁や天井に吸収されてさらにそこからの輻射熱として放射されます。
お部屋全体から体を芯まで暖めてくれる「輻射熱」が発生するため、室温にムラが出ず、実際の温度(室温)が高くなくても暖かく感じられます。

赤ちゃんにも、ご高齢の方にも、みんなに優しい暖房器具です。

お昼寝大好きなパパもにゃんこも
好きなところでゴロゴロし放題ですね!

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床暖房の起源はテルマエロマエ!

床暖房の始まりはテルマエロマエ
古代ローマの「公衆浴場」は「床暖房」システムで浴室内を暖めていました。

床暖房の発祥は、紀元前95年頃のローマ時代にあった「ハイポコースト」と言われています。「ハイコポースト」は「下から熱する」という意味。建物の床下や壁の中に空間を設け、そこを熱いガスが通ることで室内を暖める仕組みです。

当時流行っていた「テルマエロマエ」(古代ローマの公衆浴場)では、大量の燃料を燃やす際に排出される高温のガスが床下や壁の中を通り、効率よく「テルマエロマエ」全体を暖めていました。床は熱いくらいでサンダルを履いて移動したとか。また、お湯も冷めにくかったそうです。
この公衆浴場「テルマエロマエ」は、文字通りスキンシップができる場所として大変貴重でした。食事や運動、読書や議論の場としての役割を果たしていたそうです。

「暖かい」って人の心も自由にしてくれるのかもしれませんね。

アジアの「床暖房」としては、高麗時代の朝鮮にあった「オンドル」が有名です。これは1000年以上の歴史があるそうです。オンドルは、床下に、石、石の板、土、油紙を順に敷き詰め、その中を炊事場で発生した煙が通ることで室内が暖まります。仕組みは「ハイコポースト」と同じですね。炊事と暖房とが兼用でき、暖房効果が高いため現在でも中国や朝鮮で使われています。電気やガスの普及により、現在では床にプラスティックや銅でできたパイプを通し、ボイラーを利用して熱湯を循環させる温水循環式が多いそうです。

その時代の生活様式にあわせ変化しながら、床暖房が長く人々の生活に愛用されてきた歴史がよくわかります。

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日本の床暖房の歴史。床暖房は高気密・高断熱の家と相性よし

床暖房
体に優しい床暖房は赤ちゃんにも安心!

日本で床暖房が一般的になったのは約30年ほど前。畳やカーペットからフローリングが主流となり、フローリング専用の床暖房が開発されたことで、一気に広がりました。これは日本の住宅の高気密・高断熱化とも関連しています。

かつての日本の家は気密性能が低く、スキマがあるのが一般的でした。

特に九州の住まいは、冬の寒さ対策より、夏の暑さを外に出すことが重要と捉えられていました。

そこで暖房器具も家全体を暖めると暖かさが外に逃げてしまうので、部分的に暖める火鉢や囲炉裏、掘りごたつなどが主流だったわけです。

やがて時代が変わり住まいが高気密・高断熱になったため、部屋全体を暖める暖房器具のひとつとして、「床暖房」のマーケットができました。

 

現在の床暖房は、大きく分けると電気式と温水式があげられます。

【電気式床暖房】

電気を熱源として、発熱体を床材の下に組み込み、これに通電して温める方式。

【温水式床暖房】

熱源機で加熱させた温水を、お部屋に設置した床暖房に循環する仕組み。

 

ちなみに「床下冷暖房」というのもあります。
床暖房は冬だけの設備ですが、「冷暖」の場合は夏は床を冷やすことで、快適な室内環境をつくります。
また床材に「無垢材」を取り入れれば、木本来の特性で冬は暖かく、夏はヒンヤリ。熱源いらずで家計に優しい素材です。

選択肢が広がるばかりですが
いずれも設置費用や暖まる時間の早さ、メンテナンスの方法など一長一短があります。すぐに選ぶのは難しいですが、取り入れる場所、予算などを比べて検討してくださいね。

もうひとつ、家の中がさむ~くなる原因には「人的なもの」があることもお忘れなく!

家が暖かいからとゴロゴロしてばかりだと、家族からつめた~い視線が投げかけられますので、暖かい家庭を維持するために家族サービスにも熱を入れましょう!!

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まとめ

床暖房
思わず床にゴロゴロ。暖かい家は、どこにいても快適!

家選びでは、家族のライフスタイル、好み、希望をたくさん叶えられる住まいを選びたいですよね。まずは選択肢をたくさん出して、ゆっくり吟味しましょう。不動産に詳しいエージェントがサポートするハウスマーケットでは、人気の暖房設備や最新の暖房設備、新築から中古を新築同様にリフォームした住まいなど、幅広くご案内できます。思いつかなかった選択肢も出てくる可能性大なので、お気軽にお問い合わせください。