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【初めてでも安心】不動産売却の注意点と絶対にやってはいけないこと・トラブル事例

不動産売却は、人生で何度も経験するものではありません。そのため、「不動産会社選びで失敗したくない」「相場より安く売って損をしたくない」「何から始めればよいのか分からない」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

不動産売却では、査定価格の見方や不動産会社の選び方、媒介契約の種類、売買契約の内容、税金など、事前に確認すべきポイントが数多くあります。知識がないまま手続きを進めると、売却価格が下がったり、想定外の費用やトラブルが発生したりする可能性があります。

この記事では、不動産売却の全体的な流れをはじめ、査定・不動産会社選び・販売活動・売買契約・引き渡し・確定申告まで、売主が注意したいポイントを段階別に解説します。初めて不動産を売却する方は、後悔のない取引を進めるための参考にしてください。

不動産売却の前に知っておきたい全体の流れと基礎知識

不動産売却を成功させるためには、最初に売却の全体像を把握しておくことが大切です。査定を依頼してから買主へ引き渡すまでには、複数の手続きがあり、それぞれの段階で準備すべきことが異なります。

売却を急ぐあまり準備不足のまま進めると、価格交渉で不利になったり、住み替えや住宅ローンの返済計画に支障が出たりすることがあります。まずは、一般的な流れと必要な費用を確認しておきましょう。

不動産売却の一般的な流れ

不動産売却は、一般的に以下のような流れで進みます。物件の種類や所在地、価格、市場の状況によって売却期間は異なりますが、査定の依頼から引き渡しまで数か月程度かかることを想定しておくとよいでしょう。

売却の段階 主な内容 確認したいポイント
1. 情報収集・売却準備 相場の確認、必要書類の準備、住宅ローン残高の確認 売却希望時期と手元に残したい金額を整理する
2. 査定依頼 不動産会社へ査定を依頼し、査定価格と根拠を確認する 査定額だけでなく販売方法や実績も比較する
3. 媒介契約 売却を依頼する不動産会社と媒介契約を結ぶ 契約の種類、期間、報告方法などを確認する
4. 販売活動 広告掲載、購入希望者への案内、内覧対応 問い合わせ数や内覧後の反応を確認する
5. 条件交渉・売買契約 価格や引き渡し時期などを調整し、売買契約を締結する 契約解除、手付金、契約不適合責任などを確認する
6. 決済・引き渡し 残代金の受領、所有権移転登記、鍵の引き渡し 住宅ローン完済や抵当権抹消の準備を進める
7. 確定申告 売却した翌年に確定申告を行い、譲渡所得がある場合は申告する 利用できる特例や必要書類を確認する

💡ポイント:「いつまでに売りたいか」だけでなく、「いつまでに引っ越しを終える必要があるか」「住宅ローンを完済できるか」「売却代金を次の住宅購入に使うか」まで整理しておくと、無理のない売却計画を立てやすくなります。

売却価格がそのまま手元に残るわけではない

不動産が希望価格で売れたとしても、売却代金の全額がそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料や登記費用、印紙税などの諸費用がかかり、売却によって利益が生じた場合は、所得税や住民税が課されることもあります。

主な費用 内容
仲介手数料 不動産会社へ支払う成功報酬。宅地建物取引業法に基づき受領できる上限額が定められている
印紙税 紙の不動産売買契約書を作成する場合に、契約金額に応じて課税される
登記関係費用 抵当権抹消登記、住所変更登記などにかかる登録免許税や司法書士報酬
測量・解体などの費用 土地の境界確認、建物の解体、残置物処分などが必要な場合に発生する
譲渡所得にかかる税金 売却によって譲渡所得が生じた場合に所得税・復興特別所得税・住民税が課される

仲介手数料の上限額を確認しておく

不動産会社が受領できる仲介手数料には上限があります。売買価格が400万円を超える場合は、宅地建物取引業者が受領できる仲介手数料の上限額を、次の速算式で計算できます。

売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税

※売買価格が400万円を超える場合の仲介手数料上限額の速算式

ただし、この金額は必ず支払わなければならない一律料金ではなく、不動産会社が受領できる上限額です。媒介契約を結ぶ前に、仲介手数料の金額や支払時期を確認しておきましょう。

住宅ローン残高と売却後の手残りを確認する

住宅ローンが残っている不動産を売却する場合は、原則として物件の引き渡しまでにローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。そのため、売却前に金融機関へ残高を確認し、次の計算を行っておくことが重要です。

売却後の概算手残り
売却価格 − 住宅ローン残高 − 売却諸費用 − 税金

売却価格より住宅ローン残高や諸費用の合計が多い場合は、自己資金で不足分を補う必要があります。住み替えを予定している方は、次の住宅の購入資金や引っ越し費用も含めて資金計画を立てましょう。

査定・売却準備でやってはいけない注意点

不動産会社へ売却を依頼する前の準備や査定段階は、売却価格や販売期間を左右する重要な工程です。特に、査定額だけを見て判断したり、必要性を確認せずにリフォームや解体を進めたりすると、かえって費用負担が増えることがあります。

査定価格は、不動産会社が「この程度の価格で売却できる可能性がある」と判断した予想価格であり、実際に売れることを保証する金額ではありません。査定額の高さだけではなく、その根拠や販売戦略まで確認しましょう。

相場を調べずに査定を依頼する

不動産会社へ査定を依頼する前に、売主自身も周辺の相場を確認しておくことが大切です。相場を知らないまま査定結果を見ると、提示された金額が妥当なのか判断しにくくなります。

相場を調べる際は、現在売り出されている物件の価格だけでなく、実際に成約した取引価格も参考にしましょう。ただし、同じ地域の物件でも、次のような条件によって価格は変わります。

  • ▪ 土地の面積や形状、接道状況
  • ▪ 建物の築年数、構造、間取り、維持管理状態
  • ▪ 駅や学校、商業施設までの距離
  • ▪ 日当たり、眺望、騒音などの住環境
  • ▪ リフォーム歴や設備の状態

インターネット上の相場情報は目安として活用し、最終的には物件の個別条件を確認した訪問査定を受けると、より具体的な売却価格を検討しやすくなります。

査定額が高いという理由だけで不動産会社を選ぶ

複数の不動産会社へ査定を依頼すると、会社ごとに査定額が異なることがあります。その中で、最も高い査定額を提示した会社へ依頼したくなるかもしれません。

しかし、査定額が高いからといって、その金額で売れるとは限りません。周辺相場から大きく離れた価格で売り出すと、購入希望者から割高と判断され、問い合わせや内覧が少なくなる可能性があります。

確認項目 チェックする内容
査定価格の根拠 類似物件の成約事例や現在の競合物件が示されているか
売却実績 対象エリアや同種物件の売却実績があるか
販売戦略 どの媒体に掲載し、どのような購入希望者へ訴求するか
価格変更の方針 反響が少ない場合に、いつ・どのように価格を見直すか
担当者の説明力 メリットだけでなく、売却上の課題やリスクも説明しているか

⚠️注意:査定額の差が大きい場合は、「なぜ他社より高いのか」「実際に購入しそうな顧客がいるのか」「過去に同じ価格帯で成約した実績があるのか」を確認しましょう。

相談せずに大規模なリフォームをする

少しでも高く売るために、売却前のリフォームを検討する方もいます。しかし、リフォームにかけた費用を売却価格へそのまま上乗せできるとは限りません。

中古住宅を購入する方の中には、購入後に自分の好みに合わせてリフォームしたいと考える方もいます。売主が先に内装や設備を変更すると、買主の希望と合わず、かえって選ばれにくくなる可能性もあります。

実施内容 考え方
清掃・整理整頓 比較的低コストで内覧時の印象を改善しやすい
軽微な補修 破損した建具や目立つ不具合など、印象を悪くする部分を整える
設備交換・内装リフォーム 費用回収が難しい場合もあるため、事前に不動産会社へ相談する
全面リノベーション 高額な費用がかかるため、需要や採算性を十分に検討する

判断を急いで建物を解体する

古い建物がある場合、解体して更地にしたほうが売りやすいと考える方もいます。しかし、建物を解体すれば必ず売却条件が良くなるわけではありません。

  • ▪ 解体費用を先に負担する必要がある
  • ▪ 建物を残したまま購入したい買主を逃す可能性がある
  • ▪ 建物を解体すると、土地に対する住宅用地の特例が適用されなくなる場合がある
  • ▪ 再建築できない土地や、現在より小さな建物しか建てられない土地である可能性がある
  • ▪ 解体後に地中埋設物などが見つかり、追加費用が発生することがある

古い建物は、「中古戸建て」「古家付き土地」「解体更地渡し」など複数の方法で販売できます。解体する前に、対象地域でどの売り方に需要があるかを不動産会社へ相談しましょう。

必要書類の準備を後回しにする

不動産売却では、物件の権利関係や建物の状態を確認するために、さまざまな書類が必要です。書類が不足していると、査定や契約、引き渡しの手続きが遅れることがあります。

主な書類 確認できる内容
登記識別情報通知・権利証 不動産の所有者であることを確認する
固定資産税納税通知書 固定資産税評価額や税額を確認する
購入時の売買契約書 購入代金や取得費を確認する資料になる
建築確認済証・検査済証 建築確認や完了検査の履歴を確認する
測量図・境界確認書 土地の面積や隣地との境界を確認する
住宅ローン残高証明書など ローン残高や完済に必要な金額を確認する

紛失した書類がある場合でも、別の資料で対応できることがあります。売却を決めた段階で不動産会社へ確認し、早めに準備を進めましょう。

不動産会社選びと媒介契約で注意したいポイント

不動産売却では、どの不動産会社へ依頼するかによって、販売方法や情報発信の範囲、売却までの進め方が変わります。会社の規模や査定額だけで判断せず、対象エリアでの売却実績や担当者の説明内容、販売戦略まで確認することが重要です。

不動産会社は、売主の希望を聞くだけでなく、物件の課題や売却にかかる期間、価格調整の可能性まで具体的に説明してくれるかを確認しましょう。

査定額や知名度だけで不動産会社を決めない

大手不動産会社には広いネットワークや広告力があり、地域密着型の不動産会社には、そのエリアの需要や購入希望者の傾向を把握しているという強みがあります。どちらが必ず優れているというわけではなく、売却する物件や地域との相性が重要です。

確認項目 見極めるポイント
対象エリアの売却実績 同じ地域や近い条件の物件を売却した実績があるか
販売方法 不動産ポータルサイト、自社サイト、既存顧客など、どのような経路で買主を探すか
説明の具体性 査定根拠、想定される販売期間、値下げの可能性まで説明があるか
担当者の対応 質問への回答が分かりやすく、連絡や報告が丁寧か
物件の弱点への対応 築年数、立地、境界、建物状態などの課題を踏まえた提案があるか

口コミや評判も参考になりますが、投稿内容だけで会社全体を判断するのは避けましょう。実際に担当者と面談し、提案内容や相性を確認したうえで依頼先を決めることが大切です。

3種類の媒介契約の違いを理解する

不動産会社へ売却を依頼するときは、売主と不動産会社の間で媒介契約を結びます。媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、それぞれ依頼できる会社数や報告義務などが異なります。

媒介契約 複数社への依頼 自己発見取引 主な特徴
専属専任媒介契約 不可 不可 窓口を1社に絞り、密な販売活動や報告を受けやすい
専任媒介契約 不可 可能 窓口を1社に絞りつつ、自分で見つけた買主との取引も可能
一般媒介契約 可能 可能 複数社へ依頼できるが、情報共有や連絡の管理が増えやすい

❓自己発見取引とは:売主自身が親族や知人などから買主を見つけて、売買を進めることです。契約の種類によって可否が異なるため、媒介契約書で確認しましょう。

「複数社に依頼できる一般媒介契約のほうが必ず早く売れる」「1社に任せる専任媒介契約のほうが必ず熱心に活動してもらえる」とは限りません。物件の条件や売主の希望、連絡管理にかけられる手間を踏まえて選びましょう。

レインズへの登録と販売状況を確認する

レインズは、不動産会社間で物件情報を共有するための指定流通機構の情報ネットワークです。専属専任媒介契約や専任媒介契約では、不動産会社にレインズへの登録義務があります。

レインズへ登録されることで、依頼した不動産会社以外の会社も物件情報を確認でき、自社の購入希望者へ紹介しやすくなります。媒介契約を結んだ後は、登録証明書を受け取り、物件情報が正しく掲載されているか確認しましょう。

なお、レインズへ登録しただけで早期売却につながるとは限らず、適切な価格設定や販売戦略も重要です。

確認する内容 チェックポイント
登録内容 価格、面積、間取り、物件種別などに誤りがないか
取引状況 公開中、書面による購入申込みありなど、現在の状況が適切に反映されているか
販売活動の報告 問い合わせ数、内覧件数、購入希望者の反応が共有されているか

囲い込みの可能性に注意する

囲い込みとは、売却を依頼された不動産会社が、他社から購入希望者を紹介できる状況にもかかわらず、自社で買主を見つけることを優先して、他社からの問い合わせや紹介を事実上制限する行為を指します。

不動産会社が売主と買主の双方を仲介すると、両方から仲介手数料を受け取れる場合があります。この取引形態自体が直ちに問題というわけではありませんが、売主にとっては購入希望者へ情報が広く届かず、売却機会を逃す可能性があります。

  • ▪ 販売開始後も問い合わせや内覧が極端に少ない
  • ▪ 販売活動の報告が曖昧で、具体的な内容が分からない
  • ▪ 他社からの紹介状況について説明がない
  • ▪ 値下げの提案ばかりで、広告や販売方法の改善案が示されない

反響が少ないときは、販売価格だけでなく、広告写真や物件説明、情報の公開範囲、内覧の受け入れ方法なども確認しましょう。レインズの取引状況が実際の販売状況と異なるように感じた場合は、不動産会社へ理由を確認すると安心です。

媒介契約書を確認せずに署名する

媒介契約書には、契約の種類や有効期間、仲介手数料、販売活動の内容、報告方法などが記載されています。説明を受けた内容と契約書の記載が一致しているかを確認せずに署名するのは避けましょう。

契約書の確認項目 確認内容
媒介契約の種類 専属専任・専任・一般のどれに該当するか
契約期間 契約の開始日と終了日、自動更新の有無
仲介手数料 金額、計算方法、支払時期
販売活動 広告掲載、レインズ登録、購入希望者への紹介方法
業務報告 報告の頻度、方法、報告される内容

担当者からの連絡を放置しない

販売活動中は、内覧の日程調整や購入希望者からの質問、価格交渉など、不動産会社から連絡が入ることがあります。返信が遅れると、購入希望者の検討が進まず、売却機会を逃す可能性があります。

ただし、不動産会社からの提案にすべて従う必要はありません。値下げや契約条件の変更を提案されたときは、その理由や購入希望者の状況を確認し、納得してから判断しましょう。

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不動産売却では、査定額の高さだけでなく、
その根拠や販売方法、地域での実績を
比較することが大切です。

ハウスマーケットでは、
物件の状態や周辺の成約事例を確認しながら、
売却方法やスケジュールをご提案します。

売却査定
相場確認
住み替え相談
空き家相談

販売活動中にやってはいけないことと売却のコツ

販売活動が始まった後は、不動産会社へ任せきりにするのではなく、問い合わせや内覧の状況を確認しながら、必要に応じて売り方を見直すことが大切です。

一方で、焦って大幅な値下げをしたり、購入希望者とその場で約束をしたりすると、売主にとって不利な条件で話が進む可能性があります。販売期間中に注意したいポイントを確認しておきましょう。

内覧前の掃除や整理整頓を怠る

購入希望者が物件を実際に見学する内覧は、購入判断に大きく影響します。建物の築年数や間取りを変えることはできませんが、掃除や整理整頓によって、室内の印象を改善することは可能です。

内覧前の確認場所 具体的な準備
玄関 靴や傘を片付け、においや汚れを確認する
リビング・居室 床や家具の上を片付け、部屋を広く見せる
キッチン・浴室・トイレ 水垢、カビ、油汚れなどを重点的に掃除する
収納 中を見られる可能性を想定し、荷物を詰め込みすぎない
におい・空気 換気を行い、ペットやたばこ、料理などの生活臭に配慮する
照明・カーテン 照明をつけ、カーテンを開けて明るさを確保する

大がかりなリフォームをしなくても、生活感を抑え、室内を明るく清潔に見せることで、購入希望者が暮らしをイメージしやすくなります。

物件の不具合や過去のトラブルを隠す

雨漏りやシロアリ被害、給排水設備の故障など、物件に不具合がある場合は、不動産会社へ正確に伝えましょう。売却後に買主が不具合を知り、契約内容と異なると判断された場合、売主が契約不適合責任を問われる可能性があります。

伝えておきたい内容 具体例
建物や設備の不具合 雨漏り、シロアリ、建物の傾き、配管の故障、設備の動作不良
土地や境界の問題 越境、境界未確定、地中埋設物、土壌汚染
周辺環境の問題 継続的な騒音、振動、異臭、近隣とのトラブル
心理的な影響を与える事情 過去の死亡事案など、買主の判断に重要な影響を与える可能性がある事項

⚠️注意:どの内容を、どの範囲まで買主へ告知すべきかは、事情によって異なります。自己判断で省略せず、把握している事実を不動産会社へ伝えたうえで対応を相談しましょう。

購入希望者へ直接価格や条件を約束する

内覧時に購入希望者から、「もう少し安くなりませんか」「家具を残してもらえますか」などと質問されることがあります。その場で売主が価格や条件を約束するのは避けましょう。

売買条件は、価格だけでなく、手付金、引き渡し時期、設備の扱い、契約不適合責任など複数の要素が関係します。交渉内容は不動産会社を通し、購入申込書などの書面で確認することが大切です。

  • ▪ 値下げ額だけでなく、購入希望者の資金計画や住宅ローンの状況を確認する
  • ▪ 引き渡し時期や残置物など、価格以外の条件も比較する
  • ▪ 複数の購入申込みがある場合は、金額だけで即決しない
  • ▪ 口約束を避け、合意事項は契約書や付帯設備表などへ反映する

反響が少ないからとすぐに大幅値下げする

販売開始後に問い合わせが少ないと、不安になってすぐに値下げしたくなるかもしれません。しかし、反響が少ない原因は価格だけとは限りません。

反響が少ない主な原因 見直したい内容
価格が相場より高い 競合物件や直近の成約事例と比較する
広告写真の印象が弱い 明るさ、構図、掲載枚数、室内の整理状態を確認する
物件情報が不足している リフォーム歴、周辺施設、設備、維持管理状況を追加する
内覧しにくい 対応可能な曜日や時間帯を広げられないか検討する
情報の公開範囲が狭い 掲載媒体や他社への物件紹介状況を確認する

価格を変更する場合も、段階的に見直すのか、検索条件に表示されやすい価格帯まで調整するのかなど、目的を明確にすることが大切です。値下げによって手元に残る金額がどの程度変わるかも確認しましょう。

販売活動の報告を確認しない

販売期間中は、不動産会社からの報告内容を確認し、次の対策につなげることが重要です。単に「問い合わせがありませんでした」という報告だけでは、改善点を判断できません。

報告で確認したい項目 活用方法
広告の閲覧状況 物件情報が見られているか、写真やタイトルに改善余地がないか確認する
問い合わせ件数 価格や条件が購入希望者の検索範囲に合っているか判断する
内覧件数 問い合わせから内覧につながっているか確認する
内覧後の感想 価格、室内状態、立地、設備など、検討を見送られた理由を整理する
競合物件の動き 周辺物件の値下げや成約状況と比較して販売方針を見直す

販売状況を定期的に振り返ることで、価格を変更する前に、広告内容や内覧対応など改善できる点が見つかることがあります。

売買契約・引き渡しで損をしないための注意点

購入希望者が決まった後は、売買条件を調整し、不動産売買契約を締結します。契約書へ署名・押印すると、原則として記載された内容に従って取引を進める必要があるため、契約当日に初めて内容を確認するのは避けましょう。

売買代金だけでなく、手付金、引き渡し時期、契約解除、設備の扱い、契約不適合責任などを事前に確認することが重要です。

契約当日に初めて売買契約書を確認する

不動産売買契約書には、売買代金や引き渡し時期のほか、契約解除や違約金、物件の状態に関する取り決めなどが記載されています。契約当日は説明事項が多く、その場ですべてを理解して判断するのは簡単ではありません。

可能であれば、契約日前に契約書や重要事項説明書の案を確認し、分からない項目を整理しておきましょう。説明を受けても理解できない内容がある場合は、そのまま署名せず、納得できるまで確認することが大切です。

契約書の確認項目 確認したい内容
売買代金 合意した価格と一致しているか
手付金 金額、支払日、手付解除ができる期限
残代金・決済日 残代金を受け取る日と支払い方法
引き渡し日 退去や引っ越しのスケジュールに無理がないか
契約解除 手付解除、違約解除、ローン特約などの条件
契約不適合責任 売主が責任を負う範囲や期間
特約事項 通常の契約内容と異なる個別の取り決めがないか

手付金や契約解除のルールを理解しない

売買契約時には、買主から売主へ手付金が支払われることがあります。一般的な不動産売買では、手付金に解約手付としての性質を持たせることが多く、一定の期限までは、買主は手付金を放棄し、売主は受け取った手付金の倍額を現実に提供することで契約を解除できる場合があります。

⚠️注意:手付解除ができる期限や条件は、売買契約書の内容によって異なります。また、契約の履行に着手した後は、手付解除ができない場合があります。自己判断せず、不動産会社へ確認しましょう。

解除の種類 一般的な考え方
買主による手付解除 買主が支払った手付金を放棄して解除する
売主による手付解除 売主が受領した手付金の倍額を提供して解除する
債務不履行による解除 契約違反がある場合、契約内容に応じて違約金や損害賠償が発生することがある
ローン特約による解除 買主の住宅ローンが承認されなかった場合、所定の条件に従って解除できることがある

契約後に売主の都合で「やはり売りたくない」と考えても、無条件で解除できるとは限りません。売却の意思や引き渡し時期を家族で十分に確認してから契約しましょう。

付帯設備表や物件状況報告書を曖昧に記入する

売買契約時には、建物や設備の状態を買主へ伝えるため、付帯設備表や物件状況報告書を作成することがあります。記憶が曖昧なまま記入したり、不具合を省略したりすると、引き渡し後のトラブルにつながる可能性があります。

書類 主な記載内容
付帯設備表 給湯器、エアコン、照明、換気扇、インターホンなどの有無や故障状況
物件状況報告書 雨漏り、シロアリ、建物の傾き、境界、越境、近隣トラブルなど

設備を残すのか撤去するのか、故障している設備を現状のまま引き渡すのかも、契約前に整理しておきましょう。合意した内容は書面へ明確に反映することが重要です。

住宅ローン完済と抵当権抹消の準備を後回しにする

住宅ローンが残っている物件を売却する場合は、決済日に売却代金などでローンを完済し、設定されている抵当権を抹消する手続きを進めるのが一般的です。

金融機関によっては、一括返済の申し出から必要書類の準備までに日数がかかることがあります。売買契約を結んだ後は、早めに借入先へ連絡しましょう。

手続き 主な内容
金融機関への連絡 売却予定と一括返済希望日を伝える
返済額の確認 決済日時点の一括返済額や手数料を確認する
抵当権抹消書類の準備 金融機関から交付される書類の受け取り方法を確認する
決済・登記手続き 司法書士が所有権移転登記と抵当権抹消登記を進める

引き渡し準備を期限直前まで放置する

決済日までには、契約で定めた状態で物件を引き渡せるよう準備する必要があります。残置物の処分や引っ越し、公共料金の精算などを直前まで放置すると、引き渡しが遅れる可能性があります。

  • ▪ 家具・家電・ごみなど、契約で残すと決めたもの以外を撤去する
  • ▪ 鍵、設備の取扱説明書、保証書などを整理する
  • ▪ 電気・ガス・水道・インターネットなどの停止や名義変更を確認する
  • ▪ 固定資産税や管理費などの精算方法を確認する
  • ▪ 引き渡し前に物件の最終確認を行う

相続物件・空き家・古い家を売却するときの注意点

相続した不動産や長期間使用していない空き家、築年数の古い住宅は、一般的な居住中の不動産とは異なる確認事項があります。名義や境界、建物の状態が整理されていない場合、売却を始めても契約や引き渡しを進められないことがあります。

相続登記をしないまま売却を進める

相続した不動産を売却するには、原則として、亡くなった方の名義から相続人の名義へ変更する相続登記が必要です。令和6年(2024年)4月から相続登記が義務化されており、売却前に手続きを済ませる必要があります。遺産分割協議がまとまっていない場合や、相続人が多数いる場合は、手続きに時間がかかることがあります。

確認事項 主な内容
相続人の確定 戸籍などを収集し、法定相続人を確認する
遺産分割協議 誰が不動産を取得するか、売却代金をどのように分けるか話し合う
相続登記 売却できる名義へ変更する
取得費資料の確認 被相続人が購入したときの契約書や領収書を探す

相続人同士で意見が分かれている場合は、売却活動を始める前に方針を整理しておくことが重要です。不動産会社だけで解決できない法的な問題は、司法書士や弁護士などの専門家へ相談しましょう。

家族信託の契約内容を確認せずに売却する

家族信託を利用している不動産では、登記名義や信託契約の内容に応じて、受託者が売却手続きを進める場合があります。ただし、受託者が自由に売却できるとは限らず、信託契約書に売却権限が定められているか確認が必要です。

信託財産の売却は、一般的な個人名義の不動産売却と必要書類や手続きが異なる可能性があります。信託契約書や登記事項証明書を準備し、司法書士などへ事前に確認しましょう。

空き家を放置したまま売り出す

長期間使用していない空き家は、換気不足や雨漏り、害虫被害などによって、建物の劣化が進んでいる可能性があります。内覧前に状態を確認せず売り出すと、現地で不具合が見つかり、購入希望者からの信頼を損なうことがあります。

  • ▪ 室内外の破損や雨漏り、カビ、害虫被害を確認する
  • ▪ 庭木や雑草、郵便物などを整理する
  • ▪ 電気・水道など、内覧に必要な設備を確認する
  • ▪ 残置物を処分する範囲や時期を決める
  • ▪ 火災保険や管理方法を確認する

古家付き土地か更地かを自己判断で決める

築年数の古い住宅では、建物を残したまま「古家付き土地」として売る方法と、解体して更地で売る方法があります。どちらが適しているかは、建物の状態や地域の需要、解体費用、土地の法的条件によって異なります。

売却方法 主な特徴 注意点
中古戸建てとして売却 建物を利用したい買主へ販売する 建物の状態や修繕履歴を確認する
古家付き土地として売却 現況のまま引き渡し、買主が利用や解体を判断する 解体費用を考慮した価格交渉が行われやすい
更地にして売却 土地の形状や広さを確認しやすい 解体費用や固定資産税への影響を確認する
解体更地渡し 契約後、売主が解体して更地で引き渡す 解体範囲や追加費用の負担を契約書で明確にする

境界や越境の問題を確認しない

古くから所有している土地では、境界標が見つからない、塀や屋根が隣地へ越境している、登記簿上の面積と実測面積が異なるといった問題が見つかることがあります。

境界が不明確な場合は、土地家屋調査士による測量が必要になることがあります。ただし、すべての売却で確定測量が法律上必須というわけではありません。契約条件や買主の意向、土地の状況に応じて判断しましょう。

💡ポイント:測量には隣接地所有者との立ち会いや確認が必要になる場合があります。売却期限が決まっている方は、早めに境界資料の有無を確認しましょう。

売却後の確定申告と税金の注意点

不動産の引き渡しが完了した後も、税金に関する手続きが必要になる場合があります。不動産を売却して利益が生じたときは、譲渡所得について確定申告を行う必要があります。

また、3,000万円特別控除などの特例を利用して税額が発生しない場合でも、特例の適用を受けるために確定申告が必要です。

売却代金の全額に税金がかかると考える

不動産売却による税金は、原則として売却代金の全額ではなく、売却によって生じた譲渡所得を基に計算します。

譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用 − 特別控除

項目 主な内容
取得費 購入代金、購入時の仲介手数料、一定の登記費用など。建物は減価償却相当額を差し引く
譲渡費用 売却時の仲介手数料、印紙税、売却のために直接要した一定の費用など
特別控除 要件を満たす居住用財産の3,000万円特別控除など

購入時の契約書や領収書を捨てる

不動産を購入したときの売買契約書や仲介手数料の領収書は、取得費を証明する重要な資料です。取得費が分からない場合、原則として売却価格の5%を概算取得費として計算する方法がありますが、実際の取得費より低くなると、譲渡所得が大きくなり、税負担が増える可能性があります。

  • ▪ 購入時の売買契約書
  • ▪ 仲介手数料や登記費用の領収書
  • ▪ 増改築や一定の設備工事に関する契約書・領収書
  • ▪ 売却時の仲介手数料や測量費などの領収書
  • ▪ 相続した不動産の場合は、被相続人の購入資料

3,000万円特別控除を自動的に受けられると考える

マイホームを売却した場合、一定の要件を満たせば、所有期間にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。

ただし、すべての住宅売却に適用できるわけではありません。住まなくなってから売却するまでの期間、売主と買主の関係、過去に利用した特例など、複数の要件があります。

主な特例 制度の概要 注意点
居住用財産の3,000万円特別控除 一定のマイホームの譲渡所得から最高3,000万円を控除 適用要件の確認と確定申告が必要
10年超所有の軽減税率の特例 一定のマイホームを10年を超えて所有していた場合、課税長期譲渡所得の一部に軽減税率を適用 3,000万円特別控除と併用できる場合がある
相続空き家の特別控除 相続した一定の空き家を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる 建築時期、利用状況、売却時期などの要件あり。2024年1月1日以後の譲渡で、対象不動産を取得した相続人が3人以上の場合は1人当たり最高2,000万円
譲渡損失の損益通算・繰越控除 一定のマイホーム売却で損失が出た場合、他の所得との通算や繰越控除ができることがある 住宅ローン残高や買い替えなど制度ごとに要件が異なる

所有期間の判定を間違える

土地や建物の譲渡所得にかかる税率は、所有期間によって異なります。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている場合は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得として扱われます。

⚠️注意:単純に購入日から売却日までの期間を数えるわけではありません。「売却した年の1月1日」を基準に判定するため、売却時期によって区分が変わることがあります。

確定申告を忘れる

不動産を売却して譲渡所得が生じた場合は、原則として売却した翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行います。また、3,000万円特別控除などの特例を利用する場合も、必要書類をそろえて申告する必要があります。

期限までに申告や納税を行わなかった場合、状況に応じて無申告加算税や延滞税などが課される可能性があります。税率や特例の適用可否は個別事情によって異なるため、早めに税務署や税理士へ確認しましょう。

💡準備のポイント:売却時の契約書や領収書だけでなく、購入時の資料、登記事項証明書、住民票など、特例に必要な書類も早めに確認しておきましょう。

まとめ:注意点を理解して後悔のない不動産売却を進めよう

不動産売却では、査定額の高さだけで依頼先を決めたり、相談せずにリフォームや解体を進めたり、契約内容を確認せずに署名したりすると、思わぬ損失やトラブルにつながる可能性があります。

売却を始める前に、周辺相場、住宅ローン残高、売却諸費用、必要書類を確認しましょう。不動産会社を選ぶ際は、査定額だけでなく、対象地域での売却実績や査定根拠、販売方法、担当者の説明内容を比較することが大切です。

販売活動中は、内覧準備や物件の状態に関する正確な情報提供を行い、反響が少ない場合も、すぐに値下げするのではなく、広告内容や販売方法を含めて原因を確認しましょう。

また、売買契約書や付帯設備表、物件状況報告書は事前に内容を確認し、不明点を残したまま契約しないことが重要です。引き渡し後は、譲渡所得や利用できる特例を確認し、必要に応じて確定申告を行いましょう。

不動産売却で後悔しないためには、早い段階から正確な情報を集め、信頼できる不動産会社や専門家へ相談しながら進めることが大切です。

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参照情報

[1]宅地建物取引業法関係(宅地建物取引業者が受けることのできる報酬額)|国土交通省

[2]不動産流通について(指定流通機構・レインズ)|国土交通省

[3]標準媒介契約約款|国土交通省

[4]宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン|国土交通省

[5]相続登記の申請義務化特設ページ|法務省

[6]譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁

[7]マイホームを売ったときの特例|国税庁

[8]マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁

[9]被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

[10]土地や建物を売ったとき|国税庁

[11]確定申告を忘れたとき|国税庁