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2026.08.06

離婚しても住宅ローンの連帯保証人は外れない?解除する4つの方法と回避すべきリスク

「離婚はしたいけれど、住宅ローンの連帯保証人になっていることが気がかりで、なかなか次の一歩を踏み出せない」と悩んでいませんか。

結論からいうと、離婚しただけでは、原則として住宅ローンの連帯保証人から自動的に外れることはありません。夫婦間の婚姻関係と金融機関との契約は別のものであり、連帯保証を解消するには、住宅ローンを完済するか、金融機関の同意を得るなどの対応が必要です。

この記事では、離婚後も住宅ローンの連帯保証人として責任が残る理由や、連帯保証人から外れるために検討できる4つの方法、離婚前に確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。

離婚しても住宅ローンの連帯保証人から外れない理由とリスク

離婚届を提出して夫婦関係を解消しても、金融機関との連帯保証契約が自動的に終了するわけではありません。

住宅ローンの借主と離婚することと、金融機関との間で結んだ契約は別の問題です。連帯保証人から外れるためには、住宅ローンを完済するか、借り換えなどによって現在のローンを終了させる、または金融機関から連帯保証人変更・解除の同意を得る必要があります。

なぜ離婚しても連帯保証人の責任は残る?

連帯保証契約は、連帯保証人と金融機関との間で結ばれている契約です。そのため、夫婦間で「離婚後は元配偶者が住宅ローンをすべて支払う」と約束しても、その合意だけで連帯保証人としての責任をなくすことはできません。

さらに、連帯保証人は一般的な「保証人」よりも重い責任を負います。少し難しい内容なので、「夫が住宅ローンの借主(主債務者)、妻が連帯保証人」というケースで考えてみましょう。

💡今回の例
夫:住宅ローンを借りて返済する人(主債務者)
妻:夫の住宅ローンの連帯保証人

項目 一般的な保証人 連帯保証人(妻)
催告の抗弁権
「まず本人に請求して」と言える権利
夫の返済が滞り、金融機関から請求された場合、原則として「私に請求する前に、まず借りた本人である夫に請求してください」と主張できる 主張できない
金融機関から妻に返済を求められたとき、「まず夫に請求してください」という理由だけで請求を拒むことはできない
検索の抗弁権
「まず本人の財産から回収して」と言える権利
一定の条件を満たせば、「夫に返済できる財産があるので、まず夫の財産から回収してください」と主張できる 主張できない
「夫に財産があるから、そちらを先に差し押さえてください」という理由だけで請求を拒むことはできない
返済の責任
どこまで支払う責任がある?
契約内容などに応じて保証責任を負う 夫から支払われるべき住宅ローンの返済が行われない場合などには、金融機関から妻へ直接支払いを求められる可能性がある

⚠️つまり:離婚すると夫婦ではなくなりますが、金融機関との契約まで自動的になくなるわけではありません。夫婦間で「離婚後は夫が住宅ローンをすべて支払う」と決めても、妻が連帯保証人のままであれば、金融機関に対する責任は残ります。

元配偶者が住宅ローンを滞納するとどうなる?

離婚後も連帯保証人のままでいる場合、元配偶者が住宅ローンを返済できなくなると、金融機関から連帯保証人へ返済を求められる可能性があります。

起こり得ること 連帯保証人への影響
住宅ローンの滞納 金融機関から支払いを求められる可能性がある
期限の利益の喪失
(分割で返済できる権利を失うこと)
契約内容や滞納状況によっては、毎月の分割返済ではなく、残っているローンの一括返済を求められる可能性がある
返済できない状態が続く 訴訟や強制執行などの手続きを経て、財産が差し押さえられる可能性がある
主債務者が自己破産 主債務者が免責を受けても、連帯保証人の責任が当然になくなるわけではない

また、連帯保証人が亡くなった場合、住宅ローンの連帯保証債務は原則として相続の対象となります。ただし、誰が相続人になるか、相続放棄をするかなどによって扱いが異なるため、「子どもが必ず残債の全額を引き継ぐ」というわけではありません。具体的なケースでは弁護士などの専門家へ確認しましょう。

💡ポイント:「元配偶者が払い続けるから大丈夫」と考えるだけではリスクを解消できません。離婚後に長期間残る住宅ローンほど、契約関係を整理できないか早めに検討することが大切です。

住宅ローンの連帯保証人から外れるために検討できる4つの方法

現在の住宅ローンを残したまま、連帯保証人の意思だけで保証契約を解除することは基本的にできません。

現実的には、住宅ローンそのものを完済・借り換えする方法や、金融機関に保証条件の変更を認めてもらう方法を検討します。

方法 特徴 主な注意点
1. 売却して完済する 現在の住宅ローンが完済されれば、その債務に対する保証も終了する 売却代金等でローンを完済できるか確認が必要
2. 住宅ローンを借り換える 元配偶者が単独で新たなローンを組み、現在のローンを完済する 元配偶者単独で審査を通過する必要がある
3. 別の保証人への変更を相談する 金融機関が認めれば保証人を変更できる可能性がある 金融機関の審査・承認が必要
4. 追加担保などを提案する 別の担保等を含めた条件変更を金融機関へ相談する 担保提供だけで解除できるとは限らず、判断は金融機関による

1. 自宅を売却して住宅ローンを完済する

住宅ローンの連帯保証関係を整理するうえで分かりやすい方法が、自宅を売却して現在の住宅ローンを完済することです。

住宅ローンという主債務自体が完済によって消滅すれば、その債務を対象とする連帯保証の責任も終了します。

状態 考え方
アンダーローン 売却価格が住宅ローン残高を上回り、売却代金で完済できる状態
オーバーローン 売却価格が住宅ローン残高を下回り、完済するには不足額を別途用意する必要がある状態

※実際に売却して完済できるかを判断する際は、売却価格だけでなく、仲介手数料や登記費用などの売却にかかる諸費用も含めて確認する必要があります。

オーバーローンで不足額を自己資金などで補えない場合は、通常の売却が難しくなることがあります。返済が困難になっている場合などには、金融機関などの同意を得て抵当権を抹消し売却する「任意売却」が選択肢になるケースもあります。

⚠️注意:任意売却をしたからといって、必ず連帯保証人の責任がなくなるわけではありません。売却後も住宅ローンの残債がある場合は、連帯保証人にも返済義務が残ることがあります。任意売却を検討する際は、売却後の残債や連帯保証人の扱いについても金融機関などへ確認しましょう。

2. 住宅ローンを借り換える

離婚後も元配偶者が自宅に住み続けたい場合には、元配偶者が単独で新しい住宅ローンを契約し、その資金で現在の住宅ローンを完済する方法があります。

ただし、借り換えでは元配偶者の収入、年齢、勤務状況、他の借入れ、物件の担保評価などをもとに改めて審査されます。夫婦の収入を合算して借りていたケースでは、一人の収入だけで希望額を借りられないこともあります。

⚠️団体信用生命保険について:民間金融機関の住宅ローンでは団体信用生命保険への加入を融資条件としている商品が多くありますが、すべての住宅ローンで加入が必須とは限りません。たとえば【フラット35】には、団信に加入しない場合でも利用できる仕組みがあります。借り換え先ごとの条件を確認しましょう。

3. 別の連帯保証人への変更を金融機関に相談する

現在の連帯保証人に代わり、元配偶者の親族などを新たな保証人とすることを金融機関へ相談する方法もあります。

ただし、誰か代わりの人を用意すれば自動的に変更できるわけではありません。新しい保証人の返済能力や信用力などを金融機関が審査したうえで、保証条件の変更を認める必要があります。

金融機関や契約内容によっては、保証人の差し替え自体が難しい場合もあります。まずは現在借り入れている金融機関へ相談しましょう。

4. 別の不動産などを追加担保として提供できないか相談する

元配偶者や親族が別の不動産などを所有している場合、追加担保を提供するなど、保証条件そのものを見直せないか金融機関へ相談できるケースもあります。

ただし、追加担保を提供すれば必ず連帯保証人から外れるわけではありません。担保の種類・評価額・残債・主債務者の返済能力などを踏まえ、金融機関が総合的に判断します。

⚠️重要:連帯保証人の解除・変更条件は金融機関や住宅ローン契約によって異なります。「この方法なら必ず外れる」というものではないため、現在の契約内容を確認したうえで金融機関と協議する必要があります。

離婚前に進めたい3つの行動ステップ

離婚に伴う住宅ローンの問題では、「誰が住み続けるか」だけでなく、住宅ローンの契約や不動産の所有関係まで確認することが重要です。

離婚後のトラブルをできるだけ避けるため、次の順番で状況を整理してみましょう。

STEP1:住宅ローン残高・契約内容・自宅の査定額を確認する

まずは、住宅ローンと自宅の現在の状況を正確に把握しましょう。

確認する項目 主な確認方法
住宅ローン残高 残高証明書や返済予定表、金融機関のWebサービスなどで確認
借主・連帯保証人など 住宅ローンの契約書などで確認
不動産の所有者・持分 登記事項証明書などで確認
自宅の売却見込み価格 不動産会社へ売却査定を依頼

特に売却を検討している場合は、「住宅ローン残高」と「売却見込み価格」の差が重要です。アンダーローンなのかオーバーローンなのかによって、選択できる方法が大きく変わります。

STEP2:夫婦間の取り決めを書面に残す

離婚後の住宅ローンや自宅の扱いについて夫婦間で合意した場合は、口約束だけで終わらせず、内容を書面に残すことが重要です。

金銭の支払いに関する取り決めについては、公正証書を活用する方法もあります。一定額の金銭の支払いについて合意し、債務者が支払いをしないときは直ちに強制執行に服する旨の「強制執行認諾文言」を盛り込んだ公正証書は、要件を満たせば裁判手続きを経ずに強制執行を申し立てるための債務名義となります。

⚠️公正証書について:公正証書を作成しても、金融機関との住宅ローン契約や連帯保証契約そのものが変更されるわけではありません。また、強制執行認諾文言があればあらゆる約束について直ちに差し押さえができるわけではなく、対象となる金銭債務などを適切に定める必要があります。

STEP3:金融機関・不動産会社・専門家へ早めに相談する

住宅ローンの連帯保証人をめぐる問題では、不動産・金融・法律のそれぞれを整理する必要があります。

相談先 主に相談できること
住宅ローンを借りている金融機関 連帯保証人の変更・解除の可否、条件変更など
不動産会社 自宅の査定、売却可能額、売却方法など
弁護士 離婚条件、財産分与、保証債務を含む法的問題や交渉など
公証役場 合意内容を公正証書にする際の手続きなど
ファイナンシャルプランナー 離婚後の生活費や住宅費などを含めた資金計画

たとえば、自宅を売却して住宅ローンを完済できるかどうかを知りたい場合は、まず住宅ローン残高を確認したうえで不動産会社に査定を依頼すると、今後の方向性を整理しやすくなります。

一方、財産分与や離婚条件、相手との交渉など法律上の問題がある場合は、早めに弁護士などの専門家へ相談しましょう。

まとめ:離婚前に住宅ローンと不動産の状況を整理しよう

離婚しただけでは、住宅ローンの連帯保証人から自動的に外れることはありません。夫婦間の関係が変わっても、金融機関との連帯保証契約は別の契約として残ります。

連帯保証関係を整理する方法としては、自宅を売却して住宅ローンを完済する、元配偶者が単独で借り換える、金融機関へ保証人の変更や追加担保などの条件変更を相談するといった選択肢があります。

ただし、どの方法を選択できるかは、住宅ローンの残高、自宅の価値、元配偶者の返済能力、金融機関の審査などによって異なります。

まずは「住宅ローンがいくら残っているか」「自宅はいくらで売却できそうか」「誰が所有者・借主・連帯保証人になっているか」の3点を確認することが大切です。

離婚後の生活を安心してスタートするためにも、住宅ローンや不動産の問題を後回しにせず、金融機関や不動産会社、必要に応じて弁護士などの専門家へ早めに相談しましょう。

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離婚に伴う不動産売却では、
まず住宅ローン残高と現在の不動産価値を
確認することが大切です。

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