福岡に津波はこない?最新想定とハザードマップで紐解く本当のリスクと命を守る対策

※2026年7月28日更新
2026年7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、熊本県で最大震度7、福岡県内でも震度5弱が観測されました。熊本県の有明・八代海には津波注意報が発表され、改めて地震や津波への関心が高まっています。「福岡にも津波は来るのだろうか」と不安を感じた方も多いのではないでしょうか。
福岡県は太平洋側と比べて巨大津波のイメージが薄い地域ですが、県の津波浸水想定や海域活断層調査では、沿岸部で津波を警戒すべき地域があることが示されています。この記事では、福岡県における津波リスクの考え方、地域別の想定、ハザードマップの確認方法、そして家族の命を守るための備えを、専門知識がない方にも分かりやすく解説します。
この記事の目次
「福岡に津波は来ない」は本当? 通説の背景と過去の記録
福岡県では昔から「太平洋側のような大津波は来にくい」と語られることがあります。これは、福岡県が面する玄界灘や日本海側が、南海トラフのような海溝型巨大地震の正面にある地域ではないためです。ただし、「来にくい」と「来ない」はまったく別であり、日本海側の海域活断層や周防灘・有明海側の地震による津波は想定されています。
また、福岡県内では過去に津波の痕跡が確認されています。国土交通省資料では、1792年の雲仙普賢岳山体崩壊による津波で大牟田市に2.4~3.0m、大川市に0.5~1.5m、1960年チリ地震津波で北九州市に0.7~1.11m、1983年日本海中部地震津波で福岡市に0.1~0.11mの痕跡が示されています。つまり、福岡県は「津波ゼロの県」ではありません。
| 通説の背景 | 実際に押さえるべきポイント |
|---|---|
| 太平洋側の海溝型巨大地震のイメージが強い | 福岡では海域活断層や周防灘・有明海側の地震による津波を想定している |
| 過去に東日本級の津波被害の印象が薄い | 県内でも歴史津波の痕跡は確認されている |
| 「福岡は安全」というイメージが先行しやすい | 公的な津波浸水想定・警戒区域・避難計画を確認することが重要 |
過去の記録が少なくても油断できない理由
津波防災で大切なのは、「経験していないから起きない」と考えないことです。福岡県の津波浸水想定は、東日本大震災後の国の考え方に基づく最大クラスの津波(レベル2津波)を前提にしています。過去の体験談よりも、現在の公的想定と避難体制を重視して判断することが大切です。
福岡県で警戒したい3つの津波シナリオ
福岡県の津波リスクは一つではありません。海に面する方向や地震のタイプによって、警戒すべきシナリオは異なります。県の津波浸水想定では、主に以下のようなケースが重要です。
1.玄界灘・日本海側の海域活断層による津波
福岡県の玄界灘沿岸では、西山断層帯や対馬海峡東の断層などを想定した津波浸水想定が公表されています。西山断層帯は、地震調査研究推進本部によると宗像市沖ノ島付近から朝倉市にかけて分布する活断層帯です。福岡県でも、海域活断層を震源とする地震について調査が進められており、2026年6月には防災アセスメント調査報告書が公表されています。
2.南海トラフ巨大地震の影響
南海トラフ巨大地震は主に太平洋側のリスクとして語られますが、福岡県の公的想定でも豊前豊後沿岸や有明海沿岸への影響を前提に検討が行われています。福岡県全域で同じ強さの津波が来るわけではありませんが、県東部や県南部の沿岸では注意が必要です。
3.周防灘断層群・有明海側の地震
福岡県の津波浸水想定では、周防灘断層群主部や雲仙地溝南縁東部断層帯と西部断層帯の連動も想定されています。つまり、玄界灘沿岸だけでなく、北九州側や有明海側も別の意味で津波への備えが必要です。
| 主なシナリオ | 主に警戒したい沿岸 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 日本海側の海域活断層 | 福岡市・糸島市・宗像市・福津市など玄界灘沿岸 | 早い到達時間と局地的な高い津波 |
| 南海トラフ巨大地震 | 豊前豊後沿岸・有明海沿岸 | 遠地津波でも油断しないこと |
| 周防灘断層群・有明海側の地震 | 北九州側・京築地方・筑後地方の沿岸部 | 河川遡上や低地の浸水にも注意 |
【地域別】福岡の津波想定高と到達時間の見方
津波の数値を見るときは、「高さ」だけでなく「どれくらい早く来るのか」もセットで確認することが重要です。福岡県公表資料では、影響開始時間は津波高0.2mを基準に算出されています。地形や堤防の状況によっては、それより前に浸水が始まる可能性もあるため、数値は「避難の猶予がある」という意味ではなく、むしろ早めに逃げる前提の目安として理解しましょう。
福岡市の公表例
福岡県の津波浸水想定資料では、福岡市内でも区によって影響開始時間や最高津波水位が異なります。とくに海に近いエリアでは、揺れや警報を確認してから迷っている時間はあまりありません。
| 地域(福岡市) | 影響開始時間の目安 | 最高津波水位の目安 | 確認のポイント |
|---|---|---|---|
| 東区 | 約7分 | 約2.6m | 沿岸・低地では特に即避難を意識 |
| 西区 | 約20分 | 約2.3m | 海岸線と避難先の高低差を確認 |
| 中央区 | 約32分 | 約2.2m | 埋立地や湾岸部は個別確認が必須 |
| 博多区 | 約35分 | 約2.4m | 河川沿いや湾岸の避難ルートを確認 |
宗像・北九州エリアで押さえたい点
福岡県は、2025年に海域活断層による防災アセスメント予備調査を公表した後、2026年6月に、日本海南西部に位置する9つの海域活断層を対象とした防災アセスメント調査報告書を公表しています。予備調査では、想定ケースによって宗像市の沖ノ島で最大6.29mの津波高が試算されるなど、近海の活断層による地震・津波リスクが改めて示されました。ただし、沖ノ島の数値を宗像市の市街地や福岡県沿岸全体にそのまま当てはめることはできません。地域ごとの浸水範囲や避難先については、各自治体の最新のハザードマップや津波災害警戒区域図を確認することが重要です。
数字を見るときの注意点
- ▪ 同じ市でも海岸沿い・河口部・埋立地でリスクは大きく変わる
- ▪ 到達時間は「まだ余裕がある」ではなく「その前に避難開始」の目安
- ▪ 最新の想定や自治体ハザードマップが更新されていないかも確認する
自宅や職場は安全? ハザードマップと警戒区域の確認方法
津波リスクを正しく把握するには、自治体が公開しているハザードマップと、国のハザードマップポータルをセットで使うのが効果的です。福岡県では津波災害警戒区域が指定されており、該当区域内の不動産取引では、宅地建物取引業者による重要事項説明の対象にもなります。
まずは、福岡県の津波災害警戒区域のページで、自分の住む自治体や沿岸部の区域図を確認しましょう。福岡市に住んでいる方は、福岡市の津波ハザードマップや総合ハザードマップが便利です。
さらに、国の重ねるハザードマップを使えば、津波浸水想定と地形・標高を重ねて確認できます。自宅や職場だけでなく、通学路・通勤経路・よく行く商業施設周辺まで見ておくと安心です。
| 確認ツール | 主な用途 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 福岡県 津波災害警戒区域 | 警戒区域図・基準水位の確認 | 自宅や物件が区域内かどうか |
| 各市の津波ハザードマップ | 避難場所・避難経路の確認 | 最寄りの高台・避難ビルの位置 |
| 重ねるハザードマップ | 津波・標高・地形を重ねて確認 | 周辺より低い土地かどうか |
| 重要事項説明 | 不動産購入時の最終確認 | 警戒区域・浸水想定・避難性の確認 |
\ 防災面も考えて住まいを選びたい方へ /
ハザードマップや周辺環境も含めて
安心できる住まいを
一緒に探しませんか?
住まい選びでは、価格や間取りだけでなく、津波・洪水・土砂災害などの災害リスクも確認しておくことが大切です。
ハウスマーケットでは、地域情報やハザードマップの確認も踏まえながら、ご家族が安心して暮らせる住まい探しをサポートしています。
家族の命を守る! 福岡県民が今すぐやるべき津波避難と備え
津波対策で最優先すべきなのは、「知ること」より「逃げる準備をしておくこと」です。気象庁は、大津波警報・津波警報・津波注意報を発表し、沿岸部や川沿いにいる人に対して高台や避難ビルへの避難を求めています。津波は繰り返し襲ってくるため、解除までは安全な場所から離れないことが原則です。
| 発表される情報 | 基準の目安 | 取るべき行動 |
|---|---|---|
| 大津波警報 | 予想される津波の最大波の高さが高いところで3m超 | ただちにできる限り高い場所へ避難 |
| 津波警報 | 予想される津波の最大波の高さが高いところで1m超3m以下 | 海岸や川沿いから離れ、高台や避難ビルへ避難 |
| 津波注意報 | 予想される津波の最大波の高さが高いところで0.2m以上1m以下 | 海に入らない・海岸に近づかない |
今すぐ家庭で決めておきたいこと
- ▪ 自宅・職場・学校ごとに、最寄りの高台や津波避難ビルを確認する
- ▪ 家族が別々の場所にいるときの連絡方法と集合場所を決める
- ▪ 夜間や雨天時も含めて、実際に避難ルートを歩いてみる
- ▪ モバイルバッテリー、ライト、飲料水、常備薬など最低限の持ち出し品を用意する
- ▪ 海沿いだけでなく、河口・川沿い・低地も避難対象になることを共有する
不動産購入・住み替え時の視点
福岡で家探しをするときは、価格や利便性だけでなく、防災面もセットで見ることが重要です。沿岸部の物件はすべて危険という意味ではありませんが、津波災害警戒区域に入っているか、避難先まで何分で到達できるか、周辺標高はどうかを確認すると、納得感のある住まい選びにつながります。
まとめ:福岡の津波リスクを正しく知り、落ち着いて備えよう
「福岡に津波は来ない」と言い切ることはできません。福岡県ではすでに津波浸水想定と津波災害警戒区域が公表されており、福岡市内でも区によっては数分~数十分で影響が始まる想定があります。さらに、近年の海域活断層調査では従来想定を上回る結果も示されています。
大切なのは、不安だけを大きくすることではなく、自宅や職場のリスクを確認し、避難先と避難ルートを決めておくことです。正しい知識と具体的な備えがあれば、いざというときの行動は大きく変わります。家族の安心のために、今日のうちにハザードマップを一度確認してみてください。
\ 福岡・佐賀エリアで安心できる住まいをお探しの方へ /
災害リスクも、暮らしやすさも。
納得できる住まい選びを
一緒に進めませんか?
住まい選びでは、物件価格や利便性だけでなく、ハザードマップ・避難場所・周辺環境まで含めて確認することが大切です。
ハウスマーケットでは、地域密着の視点で、ご家族が安心して暮らせる住まい探しを丁寧にサポートしています。
📍 主な対応エリア
福岡県:大野城市・春日市・筑紫野市・太宰府市・糟屋郡
佐賀県:鳥栖市・三養基郡
※ご相談・会員登録は無料です
参照情報
[1] 2026年7月28日16時27分頃 熊本県熊本地方の地震|気象庁
[2] 【速報】午後4時27分ごろの地震 各地の震度を詳しく 福岡県内でも震度5弱観測 柳川市や大川市|福岡TNCニュース
[6] 玄界灘・豊前豊後沿岸及び有明海沿岸の一部(福岡県区間)|国土交通省
[7] 津波ハザードマップ|福岡市
[8] 福岡市総合ハザードマップ|福岡市
[9] 重ねるハザードマップ|国土地理院
[10] 津波警報・注意報、津波情報、津波予報について|気象庁
[11] 海域活断層による防災アセスメント予備調査報告書|福岡県
[12] 海域活断層を震源とする地震に関する防災アセスメント調査報告書|福岡県
[13] 福岡県の最大津波高予想 震度6強で宗像市・沖ノ島6.29m|福岡TNCニュース
[14] 西山断層帯|地震調査研究推進本部
