住宅取得資金贈与の非課税特例 
親からの贈与を受けるなら、
家を建てるときがいいタイミングかも!

人生で大きなお金が動くのは「家を買うとき」と「親の相続を受けるとき」でしょう。「住宅取得等資金の贈与税の特例」を利用すれば、人生で大きなお金が動く2つのタイミングを上手に組み合わせることができます。場合によっては軽自動車一台分ほどの違いがでることも?!
知っておくと得するかもしれないお金の話。わかりやすく、シンプルに解説します。


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「家の購入」と「相続」は大きなお金が動く人生の大イベント

人生で大きなお金が動く場面は、そんなに多くはありません。石油王や有名投資家なら毎日ものすごいお金を扱っているのかもしれませんが、一般的なファミリーなら、多くの場合「家を買うとき」と「親の相続を受けるとき」が、大きなお金が動くタイミングでしょう。また、家を購入するときは、現金で一括購入するよりも、住宅ローンで計画的に返済する方法が現実的です。その際に元金が少ないほど、当然毎月の返済額は少なくなります。

「元金」とは「借入金(融資金)」、つまり銀行から借りるお金のことです。

「元金」を少なくするには、

  • 頭金を多く入れる
  • 購入する家の価格を抑える

ことがあげられますが、毎日の生活を楽しく幸せに暮らすには、どちらもそう簡単ではありません。そこで多くの人が検討するのが、住宅取得等資金の贈与税の特例です。

これは人生で大きなお金が動く2つのタイミングを上手に組み合わせた合わせ技。

  • 家の購入費
  • 親から相続を受ける際にかかる相続税

のどちらも軽くすることが可能となります。

簡単に説明すると

2020年12月31日までに、両親や祖父母から家の新築などに使う資金を贈与された場合、「住宅資金贈与の特例」が適応できる可能性があります。通常は資金を贈与された場合、基礎控除額の110万円を差し引かれた金額に贈与税がかかります。例えば親から1000万円もらった場合は、177万円ほどの贈与税を納めるため、実質は823万円ほどの援助になるということです。

1000万円(親が資金援助)-177万円(贈与税)=823万円(実際に受け取れる額)

「住宅資金贈与の特例」を利用すれば、最大1500万円非課税にできます(2021年4月~は最大1200万円)。条件はありますが、先ほどの1000万円親から資金援助を受ける場合を考えれば、贈与税の177万円が不要になるのです。

1000万円(親が資金援助)-0円(贈与税)=1000万円(実際に受け取れる額)

823万円が1000万円になるのですから、結構大きな差ですね。軽自動車が買えそうです・・・

非課税限度額(親から援助される資金のうち、特例で非課税になる金額)は、家の性能などで変わりますが、ざっくり言うと「高性能な省エネ住宅」や「バリアフリー住宅」は非課税枠が増える仕組みとなっています。

現在分譲中の新築住宅や注文住宅は基準を満たしているケースが多いので、しっかりダンドリしていけば、非課税枠を最大限に利用することができます。

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特例には条件あり。まずはそこを確認しましょう

住宅資金贈与の特例は、いくつかの条件があるという点は、ちょっと抑えておきたいポイントです。主なものを挙げてみましょう。

①贈与を受ける人が贈与者の直系卑属(子や孫)で、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上かつ、所得金額が2,000万円以下であること。

→つまり未成年や所得が多い人は対象外

②贈与された年の翌年3月15日までに、提供された資金の全額を充てて住宅を取得し、遅くとも同年の12月31日までに居住を開始すること。

→「いつか建てる」ではダメ。きちんとした計画が必要ということ

③新築・増改築ともに家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下で、その半分以上が贈与を受けた人の居住用として利用されること。

→床面積が50㎡未満の家族向け住宅はあまりないので大丈夫ですが、
店舗付住宅などの場合は広さの割合を確認しておきましょう。

また、特例の対象となるのは、日本国内にある住宅用の家屋のみです。

→ハワイでコンドミニアムを購入!というケースではこの特例の利用はあきらめましょう・・・

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最後まで気を抜かず、使える制度をしっかり利用

せっかく非課税枠で贈与を受けたのに、非課税にならないケースや逆に将来相続税が跳ね上がるケースがあります。

  • 贈与税の申告忘れ

非課税額の範囲内、つまり課税が0円だったとしても必ず贈与税の申告が必要です。これを忘れると、課税されてしまい、後から修正申告することはできません。贈与税の申告期限は、贈与した年の翌年2月1日から3月15日まで。確定申告シーズンは窓口が大変込み合うので、早め早めに準備しましょう。

  • 相続税の負担が増える可能性

相続税には「小規模宅地等の特例」というものがあります。これは故人が居住していた土地の相続税計算時の評価額を、最大80%減額する制度です。しかし家を購入すると相続人は「小規模宅地等の特例」の要件を満たさなくなります。つまり80%の減額が適用されないということです。ただし不動産を利用して資金調達をする「リースバック」など様々な方法がありますので、将来相続する土地がある人は、事前にプロに相談してみましょう。

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まとめ

非課税やローン控除、助成金は、家を建てる際にはぜひ知っておきたい制度。しかし国や公的機関から支給されることが多いので、数々の条件があり、手続きも煩雑です。面倒かもしれませんが利用すると大きなメリットが受けられるケースもあるので、難しく考えずちょっと勉強するつもりで、調べてみましょう。贈与に関しては、兄弟姉妹、親族も関わってくるので、家族間のしっかりした話し合いも必要ですね。二世帯や同居、親の介護など、将来設計も含めて、長期的な人生プランを立てる良い機会です。

親の資産状況などかなりプライバシーに関わる話にもなるので、まずは信頼できるパートナー選びから始めましょう。福岡南部エリアに特化した家探しをお手伝いするハウスマーケットでは、それぞれのお客様に専属の担当者がつくエージェント制を採用。面倒な手続きや複雑な書類作成などに関しては、弁護士、司法書士、税理士等のプロをご紹介しています。未来に続く継続的なサポート体制がありますので、お気軽に相談してみてくださいね。

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