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2025.12.18

不動産売却の利益にかかる税金はいくら?【初心者向け】計算方法から使える控除・特例まで徹底解説

不動産を売却するとき、「利益が出たら税金はいくらかかるの?」「売却価格にそのまま税金がかかるの?」「使える控除や特例はある?」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。

不動産売却で税金がかかるのは、売却価格そのものではなく、売却によって生じた譲渡所得です。譲渡所得は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いて計算します。さらに、所有期間によって税率が変わるほか、マイホームの売却では3,000万円特別控除などの特例を使える場合があります。

この記事では、不動産売却で利益が出たときの税金の仕組み、譲渡所得の計算方法、所有期間による税率の違い、節税につながる控除・特例、赤字が出た場合の考え方まで分かりやすく解説します。売却後に「思ったより税金が高かった」と後悔しないために、事前準備の参考にしてください。

そもそも不動産売却の「利益」とは?税金計算の基礎を確認

不動産売却の税金を考えるうえで、最初に押さえておきたいのは、税金は売却価格そのものにかかるわけではないという点です。

たとえば、3,000万円で不動産を売却したとしても、その3,000万円全額に税金がかかるわけではありません。購入時にかかった費用や、売却時にかかった費用を差し引いたうえで、最終的に利益が出た場合に税金がかかります。

💡ポイント:不動産売却で課税対象となる利益は、税法上「譲渡所得」と呼ばれます。売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いて計算し、譲渡所得がプラスになった場合に所得税・住民税などがかかります。

譲渡所得とは「売却して最終的に出た利益」のこと

譲渡所得とは、不動産を売却したことで生じた利益のことです。簡単にいうと、売却価格から、その不動産を取得するためにかかった費用や、売却するためにかかった費用を差し引いた金額を指します。

課税譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額

この計算で譲渡所得が0円以下になる場合、原則として譲渡所得税はかかりません。一方で、譲渡所得がプラスになる場合は、その金額に対して税率をかけて税額を計算します。

不動産売却でかかる主な税金

不動産売却で利益が出た場合、主に以下の税金が関係します。一般的に「譲渡所得税」と呼ばれる場合は、所得税・住民税・復興特別所得税をまとめて指していることが多いです。

税金の種類 概要
所得税 不動産売却で生じた譲渡所得に対してかかる国税
住民税 譲渡所得に対してかかる地方税
復興特別所得税 所得税額に対して一定割合で上乗せされる税金
印紙税 売買契約書を作成する際にかかる税金

特に注意したいのは、譲渡所得税は給与所得などとは分けて計算する「分離課税」である点です。会社員の方であっても、不動産売却で譲渡所得が出た場合は、原則として確定申告が必要になります。

3ステップでわかる!譲渡所得の計算方法

譲渡所得は難しそうに感じますが、「売却価格」「取得費」「譲渡費用」の3つを整理するだけで計算できます。まずは、それぞれの意味を確認しましょう。

STEP1 売却価格(収入金額)を確認する

売却価格とは、不動産を売却して受け取る金額です。一般的には売買契約書に記載されている売買代金が該当します。

また、固定資産税・都市計画税の精算金なども、状況によって収入金額に含まれる場合があります。実際の計算では売買契約書や精算書を確認しましょう。

例)

  • 売却価格:3,500万円
  • 固定資産税精算金など:別途精算

STEP2 取得費(購入時にかかった費用)を計算する

取得費とは、不動産を購入したときに支払った費用です。購入価格だけではなく、購入時の諸費用や一定の改良費なども含めることができます。

取得費に含められるもの 具体例
購入代金 土地・建物の購入価格
購入時の諸費用 仲介手数料・登録免許税・印紙税など
一定の改良費 増改築・造成工事など

⚠️注意:建物は年月とともに価値が減少するため、取得費を計算する際は減価償却費相当額を差し引く必要があります。土地には減価償却はありません。

取得費が分からない場合は「概算取得費」が使える

購入時の契約書や領収書が見つからず取得費を証明できない場合は、売却価格の5%を取得費として計算する「概算取得費」を利用できます。

ただし、実際の取得費より低くなるケースが多く、結果として税金が高くなる可能性があります。購入時の資料が残っていないか、できる限り確認することをおすすめします。

STEP3 譲渡費用(売却時にかかった費用)を差し引く

譲渡費用とは、不動産を売却するために直接かかった費用です。これらも譲渡所得から差し引くことができます。

主な譲渡費用
仲介手数料
売買契約書の印紙税(売主負担分)
土地測量費
建物を取り壊して土地を売る場合の取壊し費用
借家人に明け渡してもらうための立退料

一方で、固定資産税や修繕費、住宅ローンの返済額などは、原則として譲渡費用には含められません。

計算例

売却価格:4,000万円

取得費:2,500万円

譲渡費用:150万円


譲渡所得=4,000万円−(2,500万円+150万円)=1,350万円

この1,350万円に税率を掛けて譲渡所得税を計算します。ただし、実際には3,000万円特別控除などの特例が適用できるケースも多いため、計算どおりの税額になるとは限りません。

税金はいくら?所有期間で変わる譲渡所得税の税率

譲渡所得が計算できたら、次は税率を確認します。不動産売却の税率は、売却した年の1月1日時点の所有期間によって決まります。

所有期間が5年以下なら「短期譲渡所得」、5年超なら「長期譲渡所得」となり、税率は大きく異なります。

区分 所有期間 税率(合計) 内訳
短期譲渡所得 5年以下 39.63% 所得税30%・住民税9%・復興特別所得税0.63%
長期譲渡所得 5年超 20.315% 所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%

💡ポイント:所有期間は「売却日」ではなく、売却した年の1月1日時点で判定されます。あと数か月待てば長期譲渡所得になるケースもあるため、売却時期によって税額が大きく変わることがあります。

相続した不動産は親の所有期間を引き継げる

相続した不動産は、自分が相続してからの期間ではなく、被相続人(親など)の所有期間を引き継ぎます。

例えば、親が20年間所有していた自宅を相続後すぐに売却した場合でも、長期譲渡所得として扱われます。

簡単シミュレーション|不動産売却の税金はいくらになる?

ここまでの内容をもとに、実際に税額をシミュレーションしてみましょう。

項目 金額
売却価格 4,000万円
取得費 2,500万円
譲渡費用 150万円
譲渡所得 1,350万円

この譲渡所得1,350万円に、それぞれの税率を掛けて税額を計算します。

ケース① 所有期間8年(長期譲渡所得)

1,350万円 × 20.315%

約274万円

長期譲渡所得であれば、約274万円が譲渡所得税の目安となります。

ケース② 所有期間4年(短期譲渡所得)

1,350万円 × 39.63%

約535万円

所有期間が違うだけで、約260万円もの差が生じます。そのため、売却を急ぐ事情がない場合は、売却時期を慎重に検討することも大切です。

税負担を軽くできる控除・特例を確認

ここまで税金の計算方法を紹介しましたが、実際には各種特例を利用することで税金が大幅に軽減されるケースが少なくありません。

特にマイホームの売却では数百万円単位で税額が変わることもありますので、自分が対象になる制度を事前に確認しておきましょう。

主な特例 対象 内容
3,000万円特別控除 マイホーム 譲渡所得から最大3,000万円控除
10年超所有軽減税率 マイホーム 長期所有の場合、一定額まで税率が軽減
取得費加算の特例 相続不動産 支払った相続税の一部を取得費へ加算
被相続人居住用家屋の特例 相続空き家 一定要件で3,000万円控除

① 3,000万円特別控除

マイホームを売却する場合に最も利用される制度です。

一定の要件を満たすと、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できます。

例えば…

譲渡所得が2,500万円だった場合

3,000万円特別控除適用

課税される譲渡所得 0円

つまり、譲渡所得が3,000万円以下であれば、税金がかからないケースもあります。

主な適用条件

  • ▪ 自分が住んでいた住宅であること
  • ▪ 一定期間内の売却であること
  • ▪ 親子・夫婦など特別な関係者への売却ではないこと
  • ▪ 他の特例との重複適用に制限がある場合があること

② 10年超所有の軽減税率の特例

マイホームを10年を超えて所有していた場合には、3,000万円特別控除と併用できるケースがあります。

控除後も譲渡所得が残る場合、その一部について通常の長期譲渡所得より低い税率が適用される制度です。

課税譲渡所得 税率
6,000万円以下 14.21%
6,000万円超 超えた部分は20.315%

※税率は目安です。実際の税額は適用できる特例などによって異なります。

💡ポイント:「所有期間5年超」と「10年超」は別制度です。5年超で長期譲渡所得となり、さらに10年超で一定条件を満たすと軽減税率の特例が利用できます。

③ 相続した不動産は「取得費加算の特例」が使える場合も

相続した不動産を売却する場合、相続税を支払っている方は「取得費加算の特例」を利用できる可能性があります。

この特例は、支払った相続税の一定額を取得費へ加算できる制度です。取得費が増えることで譲渡所得が小さくなり、結果として譲渡所得税を抑えられます。

📝こんな方が対象になる可能性があります

  • ▪ 相続税を支払っている
  • ▪ 相続した土地・建物を一定期間内に売却する
  • ▪ 税法上の要件を満たしている

④ 相続空き家の3,000万円特別控除

親などから相続した空き家を売却する場合には、「被相続人居住用家屋等の特別控除」が利用できる場合があります。

一定の耐震基準や売却期限など細かな要件がありますが、適用できれば譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。ただし、取得した相続人の人数などによっては控除額が2,000万円となる場合があります。

代表的な要件
相続開始直前まで被相続人が一人で居住していた住宅
一定期間内の売却
一定の耐震基準を満たす、または解体後に売却すること

⚠️注意:特例には細かな適用条件があります。売却後では利用できないケースもあるため、売却前に税理士や不動産会社へ相談しておくと安心です。

利益が出なかった場合は?譲渡損失の考え方

不動産を売却しても利益が出るとは限りません。購入時より安い価格で売却した場合は、譲渡所得ではなく譲渡損失になります。

譲渡損失であれば、原則として譲渡所得税はかかりません。

マイホームの買い替えでは損失を活用できる場合も

一定の条件を満たしてマイホームを買い替えた場合には、譲渡損失を給与所得など他の所得と相殺(損益通算)できる制度があります。

その年だけで控除しきれない場合には、翌年以降へ繰り越せるケースもあります。

損失が出た場合 考え方
譲渡所得税 原則かからない
買い替えの場合 損益通算・繰越控除が使える場合がある
確定申告 特例を利用する場合は必要

💡ポイント:利益が出なかったからといって何もしないのではなく、利用できる特例がないか確認することが大切です。確定申告をすることで節税につながるケースもあります。

不動産売却の税金Q&A

最後に、不動産売却の税金についてよくある質問を整理します。

Q1. 不動産を売却したら必ず確定申告が必要ですか?

譲渡所得が出た場合や、3,000万円特別控除などの特例を利用する場合は、原則として確定申告が必要です。

一方で、利益が出ておらず、特例も利用しない場合は確定申告が不要なケースもあります。ただし、判断に迷う場合は税務署や税理士へ確認しましょう。

Q2. 住宅ローンが残っている不動産でも売却できますか?

住宅ローンが残っている不動産でも売却は可能です。ただし、原則として引き渡し時までに住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。

売却代金でローンを完済できるか、完済できない場合に自己資金で補えるかを事前に確認しておくことが大切です。

Q3. ふるさと納税に影響はありますか?

不動産売却で譲渡所得が発生すると、その年の所得が増えるため、ふるさと納税の控除上限額に影響する場合があります。

ただし、3,000万円特別控除などを利用して課税所得が発生しない場合は、影響が限定的になることもあります。ふるさと納税を行う場合は、売却年の所得見込みを踏まえて上限額を確認しましょう。

Q4. 税金はいつ支払いますか?

所得税は、売却した翌年の確定申告期間に申告・納税します。住民税は、確定申告の内容をもとに翌年度に課税されます。

売却代金を受け取った時点ですぐに納税するわけではありませんが、納税資金を残しておかないと後から困る可能性があります。売却前に概算税額を把握しておきましょう。

まとめ:売却前に税金と手残り額を確認しよう

不動産売却で税金がかかるのは、売却価格そのものではなく、取得費や譲渡費用を差し引いた譲渡所得に対してです。

譲渡所得が出た場合は、所有期間によって税率が変わります。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得、5年以下であれば短期譲渡所得となり、税率に大きな差があります。

  • ✅ 売却価格そのものではなく、譲渡所得に税金がかかる
  • ✅ 課税譲渡所得は「売却価格−取得費−譲渡費用−特別控除額」で計算する
  • ✅ 所有期間5年以下は短期、5年超は長期として税率が変わる
  • ✅ マイホーム売却では3,000万円特別控除を使える場合がある
  • ✅ 相続不動産や空き家にも特例が使える可能性がある
  • ✅ 利益が出ない場合でも、損失の特例を確認することが大切

不動産売却では、売却価格だけを見て判断すると、税金や諸費用を差し引いた後の手残り額が想定より少なくなることがあります。

売却を検討している方は、査定価格だけでなく、税金・住宅ローン残債・諸費用・使える特例まで含めて、総合的にシミュレーションしておきましょう。

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不動産売却では、税金・諸費用・住宅ローン残債・使える特例によって、手元に残る金額が大きく変わります。

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