永住権なしでも住宅ローンは組める?外国籍の方の審査ポイントとおすすめ銀行を徹底解説

日本での生活にも慣れ、キャリアも安定してきた頃、多くの方が「そろそろ自分の家を」と考え始めます。
しかし、外国籍の方にとって大きな壁となるのが「住宅ローン」です。特に「永住権がないと、ローンは組めないのでは?」という不安は、マイホームという夢への大きな一歩をためらわせる原因になります。
この記事では、そんなお悩みを持つあなたのために、永住権の有無が住宅ローンの審査にどう影響するのかを分かりやすく解説します。永住権がない場合の審査通過のポイントから、おすすめの金融機関、そして永住権がある場合のメリットまで、あなたの状況に合わせた具体的な情報を網羅しました。
この記事を読めば、日本でマイホームを手に入れるための道筋がきっと見えてくるはずです。
記事の目次
まずは結論から|永住権の有無で住宅ローン審査はこう変わる【比較表で解説】
住宅ローンの審査において、永住権の有無は最も重要な判断基準の一つです。
金融機関は、返済が滞りなく長期間続くかを重視するため、日本に永続的に住む権利である永住権は、非常に大きな信用となります。しかし、永住権がなければ絶対に不可能というわけではありません。
まずは、永住権の「あり」と「なし」で、審査条件がどのように変わるのか、その全体像を掴みましょう。以下の比較表で、主要な項目の違いをひと目で確認できます。
| 比較項目 | 永住権がある場合 | 永住権がない場合 |
|---|---|---|
| 審査の難易度 | 日本人とほぼ同等 | 非常に厳しい |
| 利用可能なローン | ・【フラット35】 ・民間金融機関のほぼ全ての商品 |
・【フラット35】は原則不可 ・一部の金融機関の特定商品のみ |
| 金利条件 | 日本人向けの標準金利・優遇金利が適用されやすい | 標準金利に0.5%〜1.0%程度上乗せされる傾向がある |
| 頭金(自己資金) | 物件価格の10%〜20%が目安 | 物件価格の20%以上(時に30%以上)を求められることが多い |
| 連帯保証人 | 原則として不要 | 日本人または永住権を持つ配偶者が必須条件となることが多い |
| ローン返済期間 | 最長35年など、日本人と同等の長期設定が可能 | 永住権ありの商品より短く制限される(例:イオン銀行は最長15年) |
| 住宅ローン控除 | 日本人と同様に利用可能 | 原則として利用不可 |
このように、永住権を持っている方が圧倒的に有利な条件で住宅ローンを組めることがわかります。一方で、永住権がない場合でも、特定の条件を満たすことでローンを組む道は残されています。
【永住権がない方へ】住宅ローン審査を通過するための3つの重要ポイント
永住権がない方の住宅ローン審査が厳しくなるのは、金融機関が「貸し倒れリスク」と「帰国リスク」を懸念するためです。もし契約者が返済途中で母国に帰国してしまった場合、返済の督促が困難になるからです。
そのため、金融機関は「この人なら日本に定住し、最後まで返済してくれるだろう」という強い信用を求めます。
この信用を証明し、厳しい審査を通過するためには、次の3つのポイントが特に重要になります。
ポイント1:日本人・永住権を持つ配偶者の「連帯保証」が鍵
永住権がない方が単独でローンを組むのは非常に困難です。そこで最も強力な信用の補完となるのが、日本人または永住権を持つ配偶者の存在です。
配偶者に「連帯保証人」または「連帯債務者」になってもらうことで、金融機関はリスクを大幅に軽減できます。
両者の役割には少し違いがあるため、パートナーとよく相談して決めることが大切です。
| 項目 | 連帯保証人 | 連帯債務者 |
|---|---|---|
| 役割 | 主たる債務者が返済できなくなった場合に、代わりに全額返済する義務を負う人。 | 主たる債務者と同等の立場で、共に全額の返済義務を負う人。 |
| 所有権 | 物件の所有権は持たない。 | 物件の所有権を共有する(持分割合が発生)。 |
| ローン控除 | 対象外となる。 | 自身の持分割合に応じてローン控除の対象となる。 |
配偶者が保証人となる場合、配偶者自身の返済能力も厳しく審査されます。
- 安定した収入(年収や勤続年数)
- 良好な信用情報(過去の延滞などがないか)
- 健康状態(団体信用生命保険に加入できるか)
これらの条件をクリアできるか、事前に確認しておきましょう。
ポイント2:頭金は多めに|自己資金の目安と金融機関への効果
次に重要なのが、潤沢な自己資金、つまり頭金を用意することです。金融機関は、頭金の額から申込者の計画性や経済的な安定性を判断します。
永住権がない場合は、物件価格の20%以上の頭金を求められることが一般的です。
頭金を多く用意することには、審査以外にも多くのメリットがあります。
- 審査に有利になる
借入額が減るため、金融機関の貸し倒れリスクが低下する。 - 総返済額を減らせる
借入額が少ない分、支払う利息の総額も少なくなる。 - 月々の返済額が楽になる
同じ返済期間でも、毎月の負担を軽くすることができる。
マイホーム購入を決めたら、できるだけ早くから計画的に貯蓄を始めることが成功への近道です。
ポイント3:その他の条件(日本語能力・勤務先の安定性・在留資格)
保証人と頭金に加えて、申込者自身の属性も厳しく評価されます。特に以下の3点は、日本への定住意思と返済能力を示す上で欠かせない要素です。
| 評価項目 | 求められるレベルや内容 | なぜ重要か |
|---|---|---|
| 日本語能力 | 契約書や重要事項説明を自力で読み書きし、理解できる高度なレベル。 | 複雑な金融契約の内容を正確に理解し、自己責任で意思決定できることを証明するため。 |
| 勤務先の安定性 | ・上場企業や大手企業に勤務している。 ・同じ会社での勤続年数が3年以上である。 |
収入の安定性と継続性を客観的に示す最も重要な指標となるため。 |
| 在留資格 | ・「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザ ・「経営・管理」ビザなど ※残りの在留期間が長い方が有利 |
日本で合法的に就労し、長期にわたり収入を得られる立場であることを証明するため。 |
これらの条件を一つでも多く満たすことで、金融機関からの信用を高めることができます。
永住権なしでも相談できる金融機関4選【特徴を比較】
永住権がない方への住宅ローン提供に、全ての金融機関が積極的なわけではありません。しかし、中には外国籍の方のニーズに特化した商品を用意している金融機関も存在します。
ここでは、永住権がない場合でも相談可能な代表的な金融機関を4つご紹介します。各銀行で条件や特徴が異なるため、ご自身の状況に最も合う金融機関を見つけるための参考にしてください。
| 金融機関名 | 商品の特徴 | 主な申込条件 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 東京スター銀行 「スター住宅ローン」 |
永住権のない外国籍の方向けの商品を明確に打ち出している。 | ・日本に住んでいる ・日本語の読み書きが理解できる ・税込年収400万円以上もしくは税込年収300万円以上で、正社員かつ40歳以下(※諸条件あり) ・正社員で勤続1年以上または会社役員・自営業として3期以上の安定した収入があることを公的書類にて証明できる |
主要都市圏の物件が対象。原則として来店での手続きが必要。 |
| SMBC信託銀行 「プレスティア」 |
英語での対応が可能。グローバルな顧客層をターゲットにしている。 | ・日本に住んでいる ・日本語または英語での意思疎通が可能(※各種契約書類は日本語だが英語訳書類の準備可能) ・前年度年収(自営業の場合は申告所得額)が1000万円以上で安定した収入がある |
金利や手数料が他の銀行に比べて高めに設定されている場合がある。 |
| スルガ銀行 「外国人のお客さま向け住宅ローン」 |
永住権の有無にかかわらず、個別の事情に応じて柔軟に審査する姿勢。 | ・日本語で商品や契約内容の説明を理解できること ・18歳以上70歳未満(完済時85歳未満) ・団体信用生命保険に加入できる方 |
金利は申込者の状況により個別に設定されるため、事前の確認が必須。 |
| イオン銀行 「住宅ローン(永住権なし)」 |
永住権なし専用の住宅ローン商品を明確に提供。年収要件が比較的低く、幅広い層が申込可能。 | ・給与所得者は6ヶ月以上勤務、会社経営者および個人事業主は事業開始後3年を経過している ・給与所得者および会社経営者は前年度年収100万円以上、個人事業主は前年度所得が100万円以上 ・物件価格の20%以上の自己資金を使用する(必須) ・日本語の読み書きが理解できる ・就労に制限のない在留資格がある ・申込時18歳以上、借入時71歳未満(完済時80歳未満) |
返済期間が最長15年に制限されるため、月々の返済額が高くなる傾向がある。金利は店頭金利+1.00%(永住権ありの商品より高め)。頭金20%必須のため初期費用が高い。永住権取得後は一般の「イオン銀行住宅ローン」への切替を検討推奨。 |
💡選択のポイント
- ✔年収1,000万円以上の高収入の方 → SMBC信託銀行(英語対応可)
- ✔年収400万円以上で安定雇用の方 → 東京スター銀行
- ✔長期返済(最長50年)を希望の方 → スルガ銀行
- ✔年収100万円台で頭金20%用意できる方 → イオン銀行(ただし返済期間15年)
これらの情報はあくまで一般的なものです。審査基準は常に更新される可能性があるため、必ず各金融機関の公式サイトで最新情報を確認し、直接相談することをおすすめします。
【福岡・佐賀エリアの方へ】地元で頼れる地方銀行2選
全国展開の金融機関に加えて、福岡・佐賀エリアにお住まいの方なら、地元に根ざした地方銀行も選択肢に入れることができます。
地方銀行ならではの安心感として、地域での長年の実績、対面相談のしやすさ、そして地元の不動産市場への深い理解が挙げられます。福岡・佐賀で住宅購入を検討されている外国籍の方は、ぜひ以下の2行もご検討ください。
| 金融機関名 | 永住権なしの方への対応 | 地域密着のメリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 福岡銀行 | 原則として永住権が必要 ・必要書類に「永住許可の記載がある外国人登録済証明書」の提出が求められる ・【フラット35】も「永住許可を受けている外国人の方」が条件 |
・福岡エリアで1972年創業の地元金融機関 ・地域の不動産市場に精通 ・店舗数が多く対面相談しやすい ・住宅ローン専門の「ローンセンター」あり |
永住権取得後のご利用をおすすめします。まずは窓口またはローンセンターにて個別相談を。 |
| 西日本シティ銀行 | 原則として永住権が必要 ・必要書類に「永住者の記載のある在留カードまたは特別永住者証明書」が必須条件 ・給与所得者は勤続1年以上、前年度年収200万円以上が基準 |
・福岡・佐賀を中心に地域密着型サービス ・最長50年の返済期間設定可能 ・Web申込にも対応 ・「ローンコールデスク」で電話相談可能 |
永住権取得後のご利用が前提。ローンコールデスク(0120-714-919)での事前相談がおすすめ。 |
【重要】福岡・佐賀エリアの地方銀行について
上記2行は、いずれも原則として永住権の取得が住宅ローン利用の条件となっています。永住権をお持ちでない方は、本記事でご紹介した「東京スター銀行」「SMBC信託銀行」「スルガ銀行」「イオン銀行」など、永住権なしでも相談可能な金融機関をご検討ください。
ただし、永住権を取得された後であれば、地方銀行は非常に頼もしい選択肢となります。特に福岡・佐賀エリアの不動産事情に精通しているため、物件選びから融資実行までスムーズに進められる可能性が高いです。
また、地元の不動産会社(例えば、福岡・佐賀エリアで豊富な実績を持つ株式会社ハウスマーケットのような専門業者)と提携関係がある場合も多く、物件探しと住宅ローンの相談を並行して進められるというメリットもあります。
【永住権がある方へ】日本人とほぼ同じ!審査のポイントと住宅ローン控除の活用法
永住権または特別永住者の資格をお持ちの場合、住宅ローン審査におけるハードルは大きく下がります。国籍による特別な制約はほとんどなくなり、日本人とほぼ同じ土俵で審査を受けることが可能です。
審査では、主に以下の項目が総合的に評価されます。
- 返済能力:年収、勤続年数、雇用形態など
- 信用情報:過去のローンやクレジットカードの延滞履歴など
- 健康状態:団体信用生命保険(団信)への加入可否
- その他:申込時や完済時の年齢、購入物件の担保価値など
そして、永住権を持つ最大のメリットの一つが「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」を利用できることです。これは、年末のローン残高に応じて所得税などが戻ってくる、非常に大きな節税制度です。
| 項目 | 制度の概要(2025年入居の場合の例) |
|---|---|
| 控除期間 | 最長13年間 |
| 控除額 | 年末のローン残高の0.7% |
| 最大控除額(年間) | 住宅の種類により異なる(認定住宅:最大35万円、省エネ基準適合住宅:最大31.5万円など) ※2025年入居の場合。詳細は国土交通省の最新情報をご確認ください |
| 主な適用条件 | ・自らが居住するための住宅であること ・床面積が50平方メートル以上であること ・合計所得金額が2,000万円以下であること |
この制度を活用することで、総返済額を大幅に軽減できます。永住権を取得したら、マイホーム購入の際にぜひこのメリットを最大限に活かしましょう。
「永住権を申請中」のケース|住宅ローン申し込みの最適なタイミングは?
現在、永住権を申請中という方もいらっしゃるでしょう。この期間は、住宅ローンを申し込むタイミングとして少し判断が難しい時期です。
金融機関の対応は様々ですが、一般的には「永住許可が下りてから本審査」となるケースがほとんどです。
申請中に申し込む場合のメリットとデメリットを理解しておきましょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 永住権申請中に ローンを申し込む場合 |
・物件探しの時間を有効に使える ・仮審査で借入可能額の目安がわかる |
・「永住権なし」の厳しい条件で審査される ・審査に通らない、または不利な金利を提示される可能性が高い |
| 永住許可取得後に ローンを申し込む場合 |
・「永住権あり」の有利な条件で審査される ・金利や返済期間で良い条件を引き出しやすい |
・許可が下りるまで物件購入計画を保留にする必要がある |
結論として、最適なタイミングは「永住許可が下りてから」です。
金利や返済期間といった長期にわたる返済条件が大きく変わる可能性があるため、焦って不利な条件で契約するよりも、許可を待ってから手続きを進めることを強くおすすめします。
外国籍の方の住宅ローンQ&A|フラット35・審査落ち対策など
ここでは、外国籍の方が住宅ローンを検討する際によくある質問とその回答をまとめました。
Q1. 【フラット35】は永住権がないと利用できませんか?
A1. はい、原則として利用できません。住宅金融支援機構が提供する【フラット35】の利用条件には、「日本国籍の方」または「永住許可を受けている方・特別永住者の方」と明確に定められています。そのため、永住権がない場合は、民間金融機関のローンを探す必要があります。
Q2. 住宅ローンの審査に落ちてしまいました。どうすればよいですか?
A2. まずは落ち着いて、審査に落ちた原因を考え、対策を立てることが重要です。以下の対策を検討してみましょう。
- ❶信用情報を確認する
信用情報機関(CIC, JICCなど)でご自身の情報を開示請求し、過去の延滞などがないか確認します。 - ❷自己資金(頭金)を増やす
再度貯蓄に励み、頭金の割合を増やしてから再挑戦します。 - ❸借入希望額を見直す
より価格の安い物件を検討するなど、借入額を減らします。 - ❹他の金融機関に相談する
審査基準は金融機関によって異なります。今回紹介したような、外国人向けローンに積極的な銀行に相談してみましょう。
Q3. 母国の銀行が日本に支店を出している場合、そこでローンを組めますか?
A3. 可能性はあります。母国の銀行の日本支店が、自国の顧客向けに住宅ローンを提供している場合があります。母国での取引実績や信用情報が考慮されるため、日本の金融機関で審査に通らなかった場合の選択肢の一つとなり得ます。
まとめ:計画的な準備で、日本での理想のマイホームを実現しよう
この記事では、外国籍の方が日本で住宅ローンを組むためのポイントを、永住権の有無に分けて詳しく解説しました。最後に、重要なポイントを振り返りましょう。
- ✔永住権の有無が審査の大きな分かれ道
永住権があれば日本人とほぼ同等の条件で、なければ非常に厳しい審査となる。 - ✔永住権がない場合の3つの鍵
- 日本人・永住権を持つ配偶者の連帯保証
- 物件価格の20%以上を目安とした頭金
- 高い日本語能力と安定した勤務実績
- ✔金融機関選びが重要
永住権がない場合は、外国人向けローンに積極的な金融機関に相談することが不可欠。
住宅ローンは、あなたの人生における大きな決断の一つです。特に外国籍の方にとっては、多くのハードルがあるように感じるかもしれません。
しかし、ご自身の状況を正確に把握し、一つひとつ計画的に準備を進めることで、日本でのマイホームという夢は決して不可能なものではありません。
この記事が、あなたの理想の住まいを手に入れるための一助となれば幸いです。
