中古住宅でも住宅ローン減税は受けられる?2026年改正の変更点や条件・計算方法を徹底解説

中古住宅の購入を検討している方のなかには、「中古住宅でも住宅ローン減税を受けられるのか」「築年数が古い物件は対象外になるのでは」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
住宅ローン減税は、新築住宅だけでなく、一定の条件を満たす中古住宅の購入にも利用できます。さらに、2026年度の税制改正では、省エネ性能の高い中古住宅について、借入限度額の引き上げや控除期間の13年への拡充が行われました。
この記事では、2026年以降に中古住宅へ入居する場合の住宅ローン減税について、借入限度額や控除期間、床面積・耐震基準などの適用条件、控除額の計算方法、確定申告の手続きまで分かりやすく解説します。中古住宅の購入前に、ご自身や検討中の物件が対象になるか確認する参考にしてください。
この記事の目次
中古住宅でも使える住宅ローン減税とは?
住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、一定の条件を満たすことで、年末時点の住宅ローン残高等の0.7%を、所得税や一部の住民税から控除できる制度です。
正式名称は「住宅借入金等特別控除」といい、新築住宅だけでなく、中古一戸建てや中古マンションなどの既存住宅も対象になります。ただし、実際に控除される金額は、住宅の性能区分や借入限度額、納めている所得税・住民税の金額などによって異なります。
| 項目 | 2026年以降の基本的な内容 |
|---|---|
| 控除率 | 年末の住宅ローン残高等の0.7% |
| 控除される税金 | 所得税。所得税から控除しきれない場合は、一定の上限まで翌年度の住民税から控除 |
| 控除期間 | 省エネ性能の高い既存住宅は13年、その他の既存住宅は10年 |
| 所得要件 | 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下 |
| 住宅ローンの要件 | 返済期間が10年以上 |
| 主な対象 | 新築住宅、買取再販住宅、一定の中古住宅、一定の増改築・リフォーム |
⚠️注意:「年末の住宅ローン残高の0.7%」が必ず全額戻るわけではありません。住宅ごとに設定された借入限度額があり、実際の控除額は、その年に納める所得税や住民税の範囲内となります。
所得税から控除しきれない場合は住民税からも控除される
住宅ローン減税による控除額は、まず入居した年分の所得税から差し引かれます。所得税だけでは控除しきれない金額がある場合は、翌年度の個人住民税からも一定額まで控除されます。
ただし、所得税と住民税の合計額が計算上の控除可能額より少ない場合、差額が現金で支給されたり、翌年以降へ繰り越されたりする制度ではありません。そのため、住宅ローン残高が同じでも、所得や納税額によって実際に受けられる控除額は異なります。
中古住宅は「住宅性能」によって優遇内容が変わる
2026年以降の制度では、中古住宅であっても、省エネ性能の高い住宅ほど借入限度額や控除期間が優遇されます。対象となる主な住宅性能区分は次の4種類です。
| 住宅性能区分 | 概要 |
|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 法律に基づく認定等を受け、長期使用や低炭素化に関する基準を満たす住宅 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上などの基準を満たす住宅 |
| 省エネ基準適合住宅 | 断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上などの基準を満たす住宅 |
| その他の住宅 | 上記の省エネ性能区分に該当しない中古住宅 |
広告や物件資料に「省エネ住宅」と記載されているだけでは、住宅ローン減税上の性能区分を判断できない場合があります。優遇を受けるためには、認定通知書、建設住宅性能評価書、住宅省エネルギー性能証明書など、所定の書類で性能を証明する必要があります。
【2026年度税制改正】中古住宅の住宅ローン減税はどう変わった?
2026年度の税制改正では、住宅ローン減税の適用期限が5年間延長され、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した方が対象となりました。
中古住宅に関しては、長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅といった、省エネ性能の高い既存住宅への支援が拡充されています。
| 主な変更点 | 2026年以降の内容 |
|---|---|
| 適用期限 | 2030年12月31日までに入居する場合へ5年間延長 |
| 質の高い既存住宅の控除期間 | 従来の10年から13年へ拡充 |
| 質の高い既存住宅の借入限度額 | 住宅性能に応じて2,000万円または3,500万円へ設定。子育て世帯等は3,000万円または4,500万円へ上乗せ |
| 床面積要件 | 原則40㎡以上へ緩和。ただし、所得1,000万円超の方や上乗せ措置利用者は50㎡以上 |
中古住宅の借入限度額と控除期間
2026年から2030年までに入居する中古住宅の借入限度額と控除期間は、次のとおりです。
| 中古住宅の性能区分 | 一般世帯の借入限度額 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
| その他の住宅 | 2,000万円 | 2,000万円 | 10年 |
🔍表の見方:借入限度額とは、住宅ローンの借入可能額ではなく、住宅ローン減税の計算対象にできる残高の上限です。例えば、住宅ローン残高が3,000万円でも借入限度額が2,000万円の場合、控除額は原則として2,000万円を上限に計算します。
省エネ性能の高い中古住宅は控除期間が13年に拡充
2025年までの制度では、一般的な中古住宅の控除期間は原則10年でした。2026年度の税制改正により、長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅に該当する中古住宅は、控除期間が13年へ拡充されました。
一方、省エネ性能の区分に該当しない「その他の住宅」は、引き続き借入限度額2,000万円、控除期間10年です。中古住宅であれば一律に13年になるわけではないため、購入前に住宅性能と証明書類の有無を確認する必要があります。
子育て世帯・若者夫婦世帯は借入限度額が上乗せされる
子育て世帯または若者夫婦世帯が、省エネ性能の高い中古住宅を取得する場合は、一般世帯よりも借入限度額が上乗せされます。
- ▪ 子育て世帯:19歳未満の扶養親族がいる世帯
- ▪ 若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが40歳未満の世帯
年齢や扶養親族の有無は、原則として居住を開始した年の12月31日時点で判定されます。該当するか判断が難しい場合は、税務署や税理士などへ確認しましょう。
床面積要件は原則40㎡以上へ緩和
2026年以降に取得する中古住宅については、住宅ローン減税の床面積要件が原則40㎡以上となりました。これにより、一定のコンパクトな中古マンションなども対象になりやすくなります。
ただし、次のいずれかに該当する場合は、床面積50㎡以上が必要です。
- ▪ 合計所得金額が1,000万円を超える方
- ▪ 子育て世帯・若者夫婦世帯向けの借入限度額上乗せ措置を利用する方
⚠️マンションの床面積に注意:床面積は、不動産広告に記載される壁芯面積ではなく、登記事項証明書に記載された内法面積で判定されます。広告上は40㎡以上でも、登記簿上は40㎡未満となる場合があるため、購入前に登記面積を確認しましょう。
中古住宅で住宅ローン減税を受けるための適用条件
中古住宅を購入すれば、すべての方が住宅ローン減税を利用できるわけではありません。購入者の所得や住宅ローンの返済期間、入居時期、住宅の床面積・耐震性能など、複数の条件を満たす必要があります。
住宅ローンの契約後や入居後に対象外と分かる事態を避けるため、購入申込みや売買契約の前に、物件と購入者の両方の条件を確認しておきましょう。
| 主な適用条件 | 確認内容 |
|---|---|
| 所得要件 | 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること |
| 住宅ローンの返済期間 | 10年以上の分割返済であること |
| 入居時期 | 住宅を取得した日から6か月以内に入居すること |
| 居住の継続 | 控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること |
| 床面積 | 原則として登記簿上の床面積が40㎡以上であること |
| 居住用割合 | 床面積の2分の1以上を自己の居住用として使用すること |
| 耐震要件 | 1982年1月1日以後に建築された住宅、または現行の耐震基準を満たすことが証明された住宅であること |
| 取得先 | 原則として、配偶者や一定の親族など特別な関係にある方から取得した住宅ではないこと |
合計所得金額が2,000万円以下であること
住宅ローン減税を受ける年の合計所得金額は、2,000万円以下である必要があります。ここでいう合計所得金額は、給与の額面年収そのものではなく、給与所得や事業所得、不動産所得などを税法上の方法で計算した金額です。
控除期間中に一時的に合計所得金額が2,000万円を超えた年は、その年分の住宅ローン減税を受けられません。ただし、その後の年に所得要件を再び満たせば、残りの控除期間内で適用を受けられる場合があります。
住宅ローンの返済期間が10年以上であること
住宅ローン減税の対象となる借入金は、原則として返済期間が10年以上である必要があります。金融機関の住宅ローンだけでなく、勤務先などからの借入れが対象になる場合もありますが、借入条件や利率などに一定の要件があります。
⚠️繰り上げ返済に注意:当初の返済期間が10年以上でも、繰り上げ返済によって返済期間が10年未満になった場合、その年以降は住宅ローン減税を受けられなくなる可能性があります。期間短縮型の繰り上げ返済を行う際は、返済後の償還期間を確認しましょう。
住宅の取得日から6か月以内に入居すること
購入した中古住宅には、原則として住宅を取得した日から6か月以内に入居する必要があります。また、原則として控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していなければなりません。
中古住宅を購入して大規模なリノベーションを行う場合、工事期間によっては引き渡しから入居まで6か月を超える可能性があります。物件の引き渡しを受けてから工事を始める場合は、工事期間と入居予定日を事前に確認しておくことが重要です。
床面積は登記事項証明書で確認する
2026年以降の床面積要件は原則40㎡以上ですが、判定に使用するのは不動産広告に記載された面積ではなく、登記事項証明書に記載された床面積です。
特にマンションでは、広告上の専有面積が壁の中心線から測る「壁芯面積」で表示される一方、登記簿では壁の内側から測る「内法面積」が記載されます。そのため、広告上は40㎡以上でも、登記簿上は40㎡未満となるケースがあります。
| 床面積の条件 | 必要な登記簿上の床面積 |
|---|---|
| 原則 | 40㎡以上 |
| 合計所得金額が1,000万円を超える方 | 50㎡以上 |
| 子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額上乗せを利用する方 | 50㎡以上 |
店舗や事務所との併用住宅は居住部分が2分の1以上必要
自宅の一部を店舗や事務所として使用する併用住宅でも、住宅ローン減税の対象になる場合があります。ただし、建物全体の床面積のうち、2分の1以上を自己の居住用として使用していることが必要です。
この場合、住宅ローン減税の計算対象になるのは、原則として居住用部分に対応する借入金です。事業用部分がある場合は計算が複雑になるため、確定申告前に税務署や税理士へ確認しましょう。
築年数が古い中古住宅は対象になる?耐震基準の確認方法
中古住宅の住宅ローン減税では、以前設けられていた「木造住宅は築20年以内」「耐火建築物は築25年以内」といった築年数による要件は、2022年度の税制改正で見直されました。
現在は、登記事項証明書上の建築日付が1982年1月1日以後の住宅であること、または現行の耐震基準に適合していることを証明できることが基本的な要件です。
| 建築日付 | 耐震要件の確認方法 |
|---|---|
| 1982年1月1日以後 | 登記事項証明書により建築日付を確認する |
| 1981年12月31日以前 | 現行の耐震基準を満たすことを所定の証明書で確認する |
📝日付の考え方:住宅ローン減税では、単純に「1981年6月1日以後に建築確認を受けた新耐震基準の住宅か」だけで判断するのではなく、登記事項証明書に記載された建築日付が1982年1月1日以後かどうかが確認基準として使用されます。
1982年1月1日以後に建築された住宅
登記事項証明書に記載された建築日付が1982年1月1日以後であれば、住宅ローン減税の耐震要件を満たす住宅として取り扱われます。この場合、通常は耐震基準適合証明書などを別途用意する必要はありません。
ただし、耐震要件を満たしていても、床面積や所得、入居時期、住宅ローンの返済期間など、ほかの適用条件も満たす必要があります。
1981年12月31日以前の住宅でも対象になる場合がある
登記事項証明書上の建築日付が1981年12月31日以前の住宅でも、現行の耐震基準に適合していることを証明できれば、住宅ローン減税の対象になる場合があります。
主な証明書類は、次のいずれかです。
| 証明書類 | 概要 |
|---|---|
| 耐震基準適合証明書 | 建築士や指定確認検査機関などが、現行の耐震基準に適合していることを証明する書類 |
| 建設住宅性能評価書の写し | 耐震等級に関する一定の基準を満たしていることを確認できる書類 |
| 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類 | 既存住宅売買瑕疵保険の付保対象となったことを証明する書類 |
耐震証明書は購入前から確認を進める
築年数が古い住宅では、耐震診断の結果によって改修工事が必要になる場合があります。また、建物の構造や劣化状況によっては、希望する証明書を取得できないこともあります。
売買契約後に「証明書を取得できない」と分かると、予定していた住宅ローン減税を受けられない可能性があります。1981年以前に建築された住宅を検討する場合は、不動産会社や建築士へ次の点を確認しましょう。
- ▪ すでに耐震基準適合証明書などが交付されているか
- ▪ 耐震診断を実施して証明書を取得できる見込みがあるか
- ▪ 耐震改修工事が必要な場合の費用と工事期間
- ▪ 証明書をいつ、誰が取得するのか
- ▪ 住宅ローンや入居予定日に影響がないか
💡購入前のポイント:住宅ローン減税の対象になるかどうかだけでなく、耐震改修費用を含めた総予算、住宅ローンの審査、火災保険・地震保険への加入条件などもあわせて確認することが大切です。
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中古住宅の住宅ローン減税額をシミュレーション
住宅ローン減税の各年の計算上の控除額は、基本的に、年末時点の住宅ローン残高等のうち、住宅の取得対価や増改築費用、住宅性能ごとの借入限度額などを踏まえた控除対象額に、控除率0.7%を掛けて計算します。
控除対象となる年末の住宅ローン残高等
× 0.7%
ただし、計算上の控除額がそのまま全額戻るとは限りません。実際に控除できる金額は、その年の所得税額と、翌年度の住民税から控除できる金額の範囲内です。
控除対象となる金額には、住宅性能ごとの借入限度額が設けられています。また、住宅の取得対価や増改築費用を超える借入れがある場合や、補助金等を受けている場合は、計算対象額が調整されることがあります。
1年目の控除額を2つのケースで比較
ここでは、2026年に中古住宅へ入居した場合を想定し、一般世帯と子育て世帯の計算上の控除額を比較します。
| シミュレーション条件 | ケースA:一般世帯 | ケースB:子育て世帯 |
|---|---|---|
| 住宅性能 | 省エネ基準適合住宅 | ZEH水準省エネ住宅 |
| 当初の借入額 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 1年目の年末残高 | 2,950万円 | 3,900万円 |
| 借入限度額 | 2,000万円 | 4,500万円 |
| 計算対象額 | 2,000万円 | 3,900万円 |
| 1年目の計算上の控除額 | 14万円 | 27万3,000円 |
ケースA:一般世帯・省エネ基準適合住宅
ケースAでは、1年目の年末ローン残高は2,950万円ですが、一般世帯が省エネ基準適合住宅を取得する場合の借入限度額は2,000万円です。
したがって、計算上の控除額は次のようになります。
2,000万円 × 0.7% = 14万円
年末残高の2,950万円全額ではなく、借入限度額の2,000万円が計算の上限となる点に注意が必要です。
ケースB:子育て世帯・ZEH水準省エネ住宅
ケースBでは、子育て世帯がZEH水準省エネ住宅を取得するため、借入限度額は4,500万円です。1年目の年末残高3,900万円は借入限度額以内のため、3,900万円全額が計算対象になります。
3,900万円 × 0.7% = 27万3,000円
ただし、納めている所得税と住民税が27万3,000円より少ない場合は、計算上の控除額を全額利用できないことがあります。
最大控除額は単純な「借入限度額×0.7%×年数」と一致しない
住宅ローンは返済とともに年末残高が減少します。そのため、13年間の最大控除額を計算する際に、単純に「借入限度額×0.7%×13年」と計算した金額を必ず受けられるわけではありません。
実際の控除総額は、次の要素によって変わります。
- ▪ 各年末の住宅ローン残高
- ▪ 元利均等返済・元金均等返済などの返済方法
- ▪ 借入金利と返済期間
- ▪ 繰り上げ返済の有無
- ▪ 各年の所得税額・住民税額
- ▪ 転居や売却などによる居住状況の変化
🧮シミュレーションについて:上記は制度の計算方法を分かりやすく示した概算例です。実際の控除額は、所得や扶養状況、ほかの所得控除・税額控除などによって異なります。正確な金額は税務署や税理士、金融機関などへご確認ください。
初年度の確定申告と必要書類・手続きの流れ
中古住宅の購入で住宅ローン減税を初めて受ける場合は、会社員などの給与所得者であっても、入居した年の翌年に確定申告を行う必要があります。
初年度に確定申告を済ませた給与所得者は、原則として2年目以降、勤務先の年末調整で住宅ローン減税の手続きができます。
| 時期 | 給与所得者の手続き |
|---|---|
| 入居した翌年 | 本人が確定申告を行う |
| 2年目以降 | 原則として勤務先の年末調整で手続きできる |
初年度は入居した年の翌年に確定申告する
住宅ローン減税の初年度は、入居した年の翌年に確定申告を行います。所得税の通常の申告期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までです。ただし、土曜日・日曜日・祝日に当たる場合は、期限が翌開庁日になることがあります。
給与所得者が住宅ローン減税による還付申告だけを行う場合は、通常の確定申告期間より前から提出できる場合があります。必要書類がそろい次第、早めに手続きを進めると安心です。
例:2026年中に中古住宅へ入居した場合は、原則として2027年に住宅ローン減税の確定申告を行います。
初年度の確定申告で準備する主な書類
住宅ローン減税の申告に必要な書類は、住宅の取得方法や性能区分、土地の借入れの有無などによって異なります。中古住宅を購入した場合に準備する主な書類は、次のとおりです。
| 主な書類 | 確認できる内容・取得元 |
|---|---|
| 確定申告書 | 国税庁の確定申告書等作成コーナーなどで作成 |
| 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 住宅ローン減税額を計算するための書類 |
| 住宅ローンの年末残高等証明書 | 金融機関から交付される年末時点の借入残高の証明書 |
| 建物の登記事項証明書 | 床面積、建築日付、所有者などを確認する書類 |
| 不動産売買契約書の写し | 住宅の取得価額や取得日などを確認する書類 |
| 土地に関する書類 | 土地の借入金も控除対象にする場合の登記事項証明書や売買契約書の写し |
| 耐震性能を証明する書類 | 1981年12月31日以前に建築された住宅などで必要になる耐震基準適合証明書等 |
| 省エネ性能等を証明する書類 | 住宅性能に応じた借入限度額や控除期間の適用を受ける場合に必要 |
| 補助金等に関する書類 | 国や地方公共団体から補助金等を受けた場合の交付決定通知書など |
| 住宅取得等資金の贈与に関する書類 | 住宅取得等資金の贈与税の特例を利用した場合に必要 |
📝書類の電子連携:金融機関や登記情報などの一部は、マイナポータル連携に対応している場合があります。利用できる情報は金融機関や申告内容によって異なるため、国税庁の確定申告書等作成コーナーで確認しましょう。
省エネ性能に応じた優遇を受ける場合は証明書を確認する
中古住宅を長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅として申告する場合は、その性能区分を証明する書類が必要です。
住宅の種類によって、認定通知書、建設住宅性能評価書、住宅省エネルギー性能証明書など、必要となる書類が異なります。売買契約前に、売主や不動産会社へ次の点を確認しましょう。
- ▪ 住宅ローン減税上の性能区分は何か
- ▪ 性能を証明できる書類がすでにあるか
- ▪ 新たに証明書を取得する必要があるか
- ▪ 証明書の取得費用を誰が負担するか
- ▪ 確定申告までに書類を受け取れるか
確定申告の基本的な流れ
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 適用条件を確認する | 所得・床面積・入居日・耐震性能・返済期間などを確認 |
| 2. 必要書類をそろえる | 金融機関、法務局、売主などから書類を取得 |
| 3. 申告書を作成する | 国税庁の確定申告書等作成コーナーなどで入力 |
| 4. 税務署へ提出する | e-Tax、郵送または税務署への持参により提出 |
| 5. 還付を確認する | 申告内容の確認後、指定した口座への還付などを確認 |
2年目以降は勤務先の年末調整で手続きできる
給与所得者は、初年度の確定申告後、原則として2年目以降は勤務先の年末調整で住宅ローン減税を受けられます。
年末調整では、主に次の書類を勤務先へ提出します。
| 書類 | 交付元 |
|---|---|
| 年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼申告書 | 税務署 |
| 住宅ローンの年末残高等証明書 | 金融機関 |
書類の交付方法は、書面だけでなく電子データとなる場合があります。勤務先の年末調整の方法や提出期限も確認しておきましょう。
中古住宅購入とリフォームを同時に行う場合の注意点
中古住宅の購入に合わせて、キッチンや浴室の交換、間取り変更、断熱改修、耐震改修などを行う方も多くいらっしゃいます。
リフォーム費用についても、一定の要件を満たす住宅ローンを利用し、対象となる増改築等を行った場合は、住宅ローン減税の対象になる可能性があります。ただし、住宅の取得とリフォームをどのような契約・ローンで行うかによって、対象範囲や必要書類が変わります。
リフォーム費用を住宅ローンに含められる場合がある
金融機関によっては、中古住宅の購入費用とリフォーム費用をまとめて借り入れる「リフォーム一体型住宅ローン」などを利用できる場合があります。
ただし、ローン商品としてリフォーム費用を借りられることと、その金額がすべて住宅ローン減税の対象になることは同じではありません。工事内容、工事費、返済期間、居住用部分の割合など、税制上の要件も確認する必要があります。
| 確認項目 | 主な確認内容 |
|---|---|
| ローンの契約内容 | 購入費用と工事費用の内訳、返済期間、融資実行時期 |
| 工事の内容 | 住宅ローン減税上の対象となる増改築等に該当するか |
| 工事費用 | 対象工事費用が税制上の金額要件を満たすか |
| 証明書 | 増改築等工事証明書などが必要か |
| 入居期限 | 住宅の増改築等の日から6か月以内に入居できるか |
住宅ローン減税の対象となる増改築等については、一定の工事内容に該当することに加え、補助金等を差し引いた対象工事費用が100万円を超えることなどの要件があります。
リフォーム工事が長引く場合は6か月以内の入居要件に注意
中古住宅の取得に係る住宅ローン減税では、原則として住宅の取得日から6か月以内に入居する必要があります。また、増改築等に係る住宅ローン減税についても、原則として住宅の増改築等の日から6か月以内に入居することが要件となります。
物件の引き渡し後に大規模なリノベーションを行う場合、設計変更や資材調達、追加工事などによって、入居時期が遅れることがあります。売買契約前から施工会社と打ち合わせを行い、工期に余裕を持たせておきましょう。
📅スケジュール管理:物件の引渡日、工事開始日、完成予定日、住民票の異動日だけでなく、実際に居住を開始できる日を確認することが重要です。
リフォーム減税との併用可否は制度ごとに異なる
耐震、バリアフリー、省エネ、三世代同居、長期優良住宅化などの一定の改修工事には、住宅ローン減税とは別に所得税の控除制度が設けられている場合があります。
「リフォーム減税」という一つの制度があるわけではなく、工事内容ごとに適用できる特例が異なります。リフォーム促進税制による所得税控除と住宅ローン減税(増改築)は、原則として併用できません。一方で、耐震改修に係る所得税控除は住宅ローン減税と併用できる場合があります。また、固定資産税の減額措置は、所得税の控除制度とあわせて利用できる場合があります。
利用できる制度や併用の可否は工事内容によって異なるため、工事契約前に税務署や税理士、リフォーム会社へ確認しておくと安心です。
| 制度の例 | 注意点 |
|---|---|
| 住宅ローン減税(増改築等) | 一定の住宅ローンを利用して対象工事を行う場合に適用を検討 |
| 住宅耐震改修特別控除 | 一定の耐震改修では、住宅ローン減税と併用できる場合がある |
| 住宅特定改修特別税額控除 | 省エネ・バリアフリーなど工事の種類ごとに要件や併用関係が異なる |
💡判断のポイント:控除額だけでなく、工事費、借入期間、所得税額、必要な証明書の取得費用などを含めて比較しましょう。制度の選択に迷う場合は、工事契約前に税務署や税理士、リフォーム会社へ確認することをおすすめします。
補助金を利用する場合は取得価額から差し引くことがある
省エネ改修や耐震改修などで国・地方公共団体から補助金等を受けた場合、住宅ローン減税の計算上、住宅の取得対価や工事費用から補助金額を差し引く場合があります。
補助金を利用する場合は、交付決定通知書や振込通知書などを保管し、確定申告時に金額を正しく反映しましょう。
住宅ローン減税に関するよくある質問
中古住宅の住宅ローン減税について、購入前や返済中に疑問を感じやすいポイントをまとめました。
繰り上げ返済をすると住宅ローン減税は受けられなくなりますか?
繰り上げ返済を行っただけで、直ちに住宅ローン減税を受けられなくなるわけではありません。ただし、年末残高が減るため、その年以降の控除額が少なくなる可能性があります。
また、期間短縮型の繰り上げ返済によって、最初の返済日から最終返済日までの期間が10年未満になると、住宅ローン減税の対象外になる可能性があります。繰り上げ返済前に金融機関へ返済予定表を確認しましょう。
ふるさと納税と住宅ローン減税は併用できますか?
住宅ローン減税とふるさと納税は、制度上併用できます。ただし、どちらも所得税や住民税に関係するため、所得や控除額によっては、ふるさと納税の自己負担が2,000円に収まる寄附上限額へ影響することがあります。
また、住宅ローン減税の初年度などで確定申告を行う場合、ふるさと納税のワンストップ特例は適用されません。ワンストップ特例を申請済みであっても、すべてのふるさと納税分を確定申告へ含める必要があります。
ペアローンや連帯債務でも利用できますか?
夫婦それぞれが住宅ローンを契約するペアローンや、夫婦で連帯債務者となる住宅ローンでも、それぞれが適用条件を満たせば住宅ローン減税を受けられる場合があります。
ただし、実際の資金負担割合と登記上の持分割合が大きく異なる場合、夫婦間の贈与と判断される可能性があります。借入額、自己資金、持分割合を決める際は、金融機関や司法書士、税理士へ相談しましょう。
自宅の一部を店舗や事務所にしても対象になりますか?
店舗や事務所を併設した住宅でも、床面積の2分の1以上を自己の居住用として使用していれば、住宅ローン減税の対象になる場合があります。
ただし、控除の対象となる借入金は、原則として居住用部分に対応する金額に限られます。
親や親族から中古住宅を購入しても対象になりますか?
住宅ローン減税では、配偶者や一定の親族など、特別な関係にある方から取得した住宅は対象外となる場合があります。
親族間売買を検討している場合は、売買契約や住宅ローンの手続きを進める前に、税務署や税理士へ適用可否を確認しましょう。
住み替え前の自宅を売却した場合も利用できますか?
旧居の売却時に、居住用財産の3,000万円特別控除や特定の買換え特例などを利用すると、新居の住宅ローン減税と併用できない場合があります。
どちらの制度が有利になるかは、旧居の譲渡益、新居の住宅ローン残高、所得税額などによって異なります。旧居の売却で利益が出る場合は、特例を選択する前に税額を比較しましょう。
住宅ローン減税の申告を忘れた場合はどうなりますか?
確定申告を忘れた場合でも、還付申告として一定期間内であれば遡って申告できる可能性があります。
ただし、申告状況やほかの所得の有無によって手続きが異なるため、できるだけ早く所轄の税務署へ確認しましょう。
⚠️税制上の注意:住宅ローン減税の適用可否や実際の控除額は、個別の契約内容、所得、住宅性能、過去に利用した特例などによって異なります。個別の税務判断については、税務署や税理士へご確認ください。
まとめ:中古住宅の性能と適用条件を購入前に確認しよう
住宅ローン減税は、新築住宅だけでなく、一定の条件を満たす中古住宅の購入にも利用できます。2026年度の税制改正では、省エネ性能の高い中古住宅について、借入限度額の引き上げや控除期間の13年への拡充が行われました。
一方で、中古住宅であれば一律に同じ優遇を受けられるわけではありません。住宅の性能区分、床面積、耐震性能、購入者の所得、住宅ローンの返済期間などによって、適用可否や控除額が変わります。
| 確認ポイント | 主な内容 |
|---|---|
| 住宅性能 | 長期優良・低炭素、ZEH水準、省エネ基準適合、その他の住宅のどれに該当するか |
| 控除期間 | 質の高い中古住宅は13年、その他の住宅は10年 |
| 床面積 | 原則40㎡以上。所得や上乗せ措置の利用状況によっては50㎡以上 |
| 耐震性能 | 1982年1月1日以後の建築、または所定の書類で耐震基準への適合を証明 |
| 申告手続き | 初年度は確定申告、給与所得者は原則2年目以降に年末調整 |
特に、省エネ性能や耐震性能を証明する書類は、購入後すぐに用意できるとは限りません。住宅ローン減税の利用を予定している場合は、売買契約前に不動産会社へ適用条件や必要書類を確認することが大切です。
物件価格だけでなく、住宅ローン減税、リフォーム費用、将来の修繕費まで含めて資金計画を立てることが、中古住宅購入で後悔を防ぐポイントです。
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築年数だけでなく、耐震性能や省エネ性能、
床面積などによって適用条件が変わります。
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